1985年の成立当初、同法が派遣を認めたのは限られた専門業務のみでした。1999年にはこの考え方が逆転し、派遣は原則自由化され、禁止業務を列挙する方式になりました。2004年には製造業への派遣が解禁されました。2008年の金融危機で多数の製造業派遣労働者が一斉に職を失ったことを受け、法律は再び保護の方向に転じました。2012年改正では日雇派遣が原則禁止され、グループ企業内への派遣は派遣元の全体の80%以下に制限されました。2015年には一部の派遣元に認められていた簡易な届出制が廃止され、すべての派遣事業に許可が必要となり、3年の期間制限が導入されました。2020年には同一賃金のルールが続きました。
どのような形であっても派遣が認められない業務があります。港湾運送業務、建設業務、警備業務、そして例外を除く病院・診療所での医療関連業務です。いくつかの士業も対象外です。
同法は派遣元だけでなく、派遣先にも義務を課しています。派遣先は派遣先責任者を選任し、派遣労働者ごとに派遣先管理台帳を作成し、期間制限を守り、自社の従業員の賃金に関する情報を派遣元に提供し、食堂などの福利厚生施設を自社の従業員と同じ条件で派遣労働者に利用させなければなりません。2026年10月1日施行の施行規則と指針の改正では、待遇差について派遣元が労働者に行うべき説明の内容が追加されます。
外資系企業にとってのポイント
- 貴社も規制の当事者。 派遣社員を受け入れると、日本法人は同法上の派遣先となり、独自の記録義務と責務を負います。担当者を決めてください。
- 業務委託の名目を確認する。 委託先の従業員に日常的に指揮命令をしていれば、当局から偽装請負とみなされ、「派遣」の項で説明する労働契約申込みみなしのリスクが生じます。
- 許可を受けた派遣会社のみを利用する。 許可番号は、契約前に厚生労働省の公開データベースで確認できます。
- グループ内の人事異動は別物。 グループ会社間での人材の異動は、通常は派遣ではなく出向として行われ、それに応じた書類が必要です。
出典
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)(1999年、2003年、2012年、2015年、2018年改正)第4条(禁止業務)
- 厚生労働省、2026年10月1日施行の改正施行規則および指針