業務委託は、仕事の外注契約を包括する用語で、成果物の完成を目的とする契約(請負)と、業務の遂行を目的とする契約(委任・準委任)の両方を含みます。雇用ではないため、労働基準法、残業代、年次有給休暇、従業員としての社会保険は適用されません。それが魅力であり、同時にリスクでもあります。
労働者かどうかは、契約の名称ではなく関係の実態によって判断されます。現在も使われている判断基準は、1985年の労働基準法研究会報告に由来します。仕事の依頼を断ることができるか、業務の遂行方法について発注者の指揮監督を受けるか、勤務時間や勤務場所が拘束されているか、本人に代わって他の者が業務を行うことができるか、報酬が実質的に労働時間に対する対価であるか、といった点を検討します。これらが雇用を示す場合、その人は労働基準法第9条の労働者となり、それに伴うすべての保護が及びます。
2024年11月1日に施行されたフリーランス法は、従業員を使用しない個人および一人会社について、別の規制を上乗せしています。これらに業務を委託する事業者は、業務内容、報酬額、支払期日を直ちに書面または電磁的方法で明示しなければなりません。自ら従業員を使用する発注者は、さらに成果物の受領から60日以内に報酬を支払い、ハラスメント対策を講じる必要があり、取引期間が長いほど義務が増えます。1か月以上の取引では一方的な報酬の減額などが禁止され、6か月以上の取引では契約解除に30日前の予告が必要です。公正取引委員会と厚生労働省が執行を担い、公正取引委員会は2025年に初めて正式な勧告を行いました。
外資系企業にとってのポイント
- 法人設立前の採用には偽装請負のリスクがある。 日本法人を設立する前にシニア人材を業務委託契約で起用するのはよくあることです。勤務時間を指定し、社員と同じように指示を出していれば、残業代や未加入の社会保険をめぐる請求を覚悟してください。
- 委託先のスタッフを直接管理しない。 業務委託契約に基づいて提供された人材に日々の指示を出すことは偽装請負にあたり、労働契約の申込みがあったものとみなされる可能性があります。
- 小規模な委託でも書面にする。 フリーランス法は、どれほどシニアで高報酬であっても、1人のコンサルタントにも適用されます。
- 一部のシニア人材には適している。 顧問や元経営幹部は、特に他の役職と兼ねる場合、業務委託契約を好むことがよくあります。
出典
- 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)、2024年11月1日施行。
- 労働基準法第9条。
- 労働基準法研究会報告「労働基準法の『労働者』の判断基準について」、1985年。
- 公正取引委員会、フリーランス法に基づく執行に関する公表、2025年。