使用者は採用時に、主要な労働条件を書面で労働者に明示しなければなりません。契約期間(有期契約の場合は更新の基準)、就業場所と業務内容、労働時間、休憩、時間外労働、休日と休暇、賃金の計算・締切・支払の方法、そして解雇を含む退職に関する事項です。賞与や退職金など、その他の条件も、会社に制度がある場合は明示が必要です。2019年4月からは、労働者が希望すれば電子メールなどで送付することもできます。多くの企業がオファーレターと一体にしています。
明示された条件が事実と異なる場合、労働者は即時に労働契約を解除できます。明示を怠ると、30万円以下の罰金の対象となる犯罪です。
2024年4月の改正で3つの項目が追加されました。すべての通知書に、当初の配置だけでなく、将来にわたって就業場所と業務が変わり得る範囲を記載しなければなりません。有期契約では、更新回数または通算契約期間の上限の有無を記載する必要があります。そして有期雇用の労働者が無期転換申込権を得た場合は、更新のたびに通知書でその旨と転換後の労働条件を示さなければなりません。
外資系企業にとってのポイント
- グローバル共通のオファーレターだけでは足りないことがある。 必須の項目がすべて網羅されているか確認するか、別途通知書を併せて交付してください。
- 変更の範囲の条項が将来の異動を左右する。 2024年4月、最高裁は、合意によって職種が限定されている労働者を、使用者が本人の同意なく配置転換することはできないと判断しました。範囲を狭く定めると、後の選択肢が限られます。
- 更新上限は最初に明示する。 有期雇用の採用者には、上限があれば当初から伝えなければなりません。後から上限を導入することは、紛争の典型的な引き金です。
- バイリンガル版を交付する。 法律上の義務ではありませんが、上級職の候補者は期待していますし、厚生労働省は英語のモデル通知書を公開しています。
出典
- 労働基準法第15条、第120条
- 労働基準法施行規則第5条(2019年4月からの電子交付、2024年4月1日からの追加項目)
- 最高裁判所、滋賀県社会福祉協議会事件判決(2024年4月26日)