平易な英語なので、ビジネス英語を読める方であれば無理なく読み進められます。
Who This Book Is For
「東南アジアに新しい市場を開くほうが、東京でディレクター職をひとり採用するより早い」──日本の人事責任者なら、一度はそう感じたことがあるはずです。日本の採用市場では、準備がすべてを左右します。本書は、文化的なコード、構造的な現実、そしてこの市場で採用を成功させているサーチファームが実際に使っているフレームワークを、具体的に解説します。
日本の人材戦略を担い、「なぜ日本の市場は他と違うのか」を理解していないエージェントに不満を感じている方。
日本の経営チームを組成するなかで、理由の見えないまま止まってしまうサーチに時間とコストを費やしている方。
外資系企業の日本法人で採用を担い、内定辞退、カウンターオファー、候補者からの音信不通に悩んでいる方。
日本市場に新しく参入した方、または18年にわたる実際の採用実績から生まれたフレームワークで実務を磨きたい方。
Inside the Book
第1部では日本の採用市場を形づくる構造と文化を、第2部では実際にサーチを成功させるための実務のフレームワークを、第3部では組織を動かす方法と、世代交代やAIがもたらす変化を扱います。各章の英語の原題も併記しています。
Why Japan Breaks Every Rule You Know About Hiring
終身雇用、年功序列、バイリンガル人材の不足──サーチが始まる前から外資系企業をつまずかせる、構造的な現実。
Japan's Talent Crisis
人口減少は、もはや避けられない前提です。出生率1.1、2011年から続く人口減少、限られたシニアのバイリンガル人材。今後10年、日本で採用する人にとって何を意味するのか。
The Rules of the Game: Understanding Japan's Labour DNA
労働法、規制の運用、そして雇用主と従業員のあいだの暗黙の契約。何が許され、何が普通で、何が問題になるのか。
The Gaishikei Paradox
外資系企業が日本の優秀な人材を惹きつけると同時に遠ざけてしまう理由。リスク回避、評判、家族の事情が、最終段階で有力な候補者をためらわせる。
Employer Brand in a Market That Doesn't Trust Advertising
アルムナイのネットワーク、リクルーターとの関係、経営陣の存在感。候補者を実際に動かすチャネルを通じて、日本で本物の信頼を築く方法。
Decoding the Japanese Interview
候補者の合否を決める暗黙のルール、ハイコンテクストなシグナル、合意形成の力学。そして、すべてを変えるひとつの質問。
The Offer Minefield
報酬設計、カウンターオファー、退職までの期間、そしてクロージング。日本のサーチの多くが崩れるこの段階を、どう乗り越えるか。
The Makana Method: The Proximity Pipeline
Active、Engaged、Passive、Dormant、Coldの5段階で候補者との関係を適切な頻度で管理する、Makana Partners独自のフレームワーク。
Match the Role to the Candidate: The Reverse-Engineered Role
グローバルの要件書が描く「ユニコーン」ではなく、日本で実際に採用できる人材を起点にサーチを設計するフレームワーク。そして、この方法を使うべきでない場面。
Moving the Room
本社の望む方向に動かない日本の組織を変えようとする、地域・グローバルの経営者へ。実際の影響力の地図を読み、根回しをリーダーシップの手段として使い、理想ではなく今ある経営チームとともに進む方法。
The Future of Talent in Japan
人口動態の変化、世代交代、そしてZ世代が日本の職場に持ち込む新しい期待。
How AI Is Changing the Search Industry — and What It Cannot Change
自動化が得意なこと、ハイコンテクストな市場で失敗すること、そして機械が業務の基盤を担うにつれて、人間のリクルーターの役割がむしろ大きくなる理由。
Praise
日本で20年以上人事に携わってきましたが、自分たちの採用市場がこのような視点で語られるのを見たのは初めてです。ほぼすべてのページにある洞察が、よく知っているつもりだった市場への理解を深めてくれました。日本を理解しようとする海外のリーダーにはもちろん、自分たちの市場をより高い解像度で見たい日本の人事実務家にも、自信を持って薦めます。
本書は、日本の人材市場を「ソーシングの問題」から、信頼・関係性・意思決定によって形づくられる「参加の仕組み」へと捉え直します。リーダーにとっての本当の価値は、日本での採用の成功とは人材を見つけることではなく、人材が関わりたくなる条件を設計することだと気づける点にあります。
人材は常にビジネスの成否を分ける要因であり、文化的な複雑さと人材の希少性が重なる日本では、その重みがいっそう大きくなります。20年にわたる経験をもとに、ヤンセン・ルー氏は人材獲得競争に勝つための、実践的で使える知見を示しています。
推薦文は英語の原文を翻訳したものです。原文は 英語版のページ でご覧いただけます。