変更の内容
2025年の公益通報者保護法改正(令和7年法律第62号、2025年6月11日公布)により、報復は民事上の違法行為から刑事犯罪へと変わります。公益通報をしたことを理由に従業員を解雇または懲戒した場合、責任者には6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金、法人には3,000万円以下の罰金が科され得ます。
立証責任も転換されます。事業者が通報から1年以内に通報者を解雇または懲戒した場合、法律はその処分を通報を理由とするものと推定し、事業者がそうでないことを示さなければなりません。
対象
外資系企業の日本法人や支店を含む、日本のすべての事業者です。従業員300人超の事業者は2022年6月から、内部通報体制の整備と通報対応業務従事者の指定が義務付けられており、この義務は引き続き適用されます。
企業が取るべき対応
- 進行中のすべての退職案件を通報記録と照合する。 解雇、懲戒、意に反する異動の前に、対象者が過去1年以内に通報していないか確認してください。通報していた場合は、行動を起こす前に、通報と無関係な理由を詳細に記録してください。
- 懲戒を決定する人を教育する。 管理職と人事担当者は、報復が会社の法的リスクにとどまらず、自分自身の刑事責任の問題になったことを理解する必要があります。
- 通報窓口を見直す。 窓口が周知され、日本語で利用でき、指定された従事者が守秘義務を理解していることを確認してください。
- 地域統括本部に説明する。 最近の通報を考慮しないグローバルの調査や退職手続は、日本法人と承認した個人を責任にさらすおそれがあります。
出典
- 公益通報者保護法(令和7年法律第62号による改正後)、消費者庁による改正法の概要
- 長島・大野・常松法律事務所、2025年改正に関するクライアントアラート(2025年12月)