日本の法律では、企業は30日前の予告、または30日分の解雇予告手当の支払いによって従業員を解雇できます。この部分は単純に見えます。難しいのは、数十年にわたる判例を明文化した労働契約法第16条です。客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は、解雇権の濫用として無効となります。
裁判所はこれを厳格に適用します。能力不足を理由とする場合、通常は文書による注意、教育訓練、そして改善のための実質的な機会が必要で、長期間に及ぶことも少なくありません。整理解雇は、人員削減の必要性、解雇回避努力、人選の合理性、労働者との協議という4つの要素で判断されます。また、業務上の負傷による休業期間や産前産後休業期間とその後30日間など、一定の期間は解雇そのものが禁止されています。
無効な解雇は効力を持ちません。従業員は引き続き雇用されている扱いとなり、その全期間の賃金を受け取る権利があります。紛争の多くは和解で終わり、労働審判で決着することも多く、その金額は企業側の主張の弱さを反映したものになります。
外資系企業にとってのポイント
- 日本に随意雇用はない。 60日間で解雇に至るようなグローバルのパフォーマンス管理プロセスは通用しません。
- 試用期間でも大きくは変わらない。 試用期間満了時の解雇はいくらか認められやすいものの、やはり合理的な理由が必要です。
- 退職の多くは交渉によるもの。 実務上、雇用関係は合意によって、退職パッケージとともに終了します。その予算を確保しておいてください。
- 採用は慎重に行う。 退職させることが難しい分、採用の失敗のコストは、日本ではほぼどの国よりも高くなります。
- その人とともに失うものを考える。 勤続15年の従業員は、信頼、人間関係、そして過去の意思決定の経緯の記憶を持って去ります。退職の扱いを誤ると、その人を評価していたハイパフォーマーの離職を招くこともあります。重要な退職の前には、実際に何を失うのかを考えてください。ローパフォーマーを残す方が正しい判断である場合もあります。
出典
- 労働契約法第16条
- 労働基準法第19条、第20条