労働基準法上、事業場で常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、過半数労働組合または労働者の過半数代表者の意見を聴き、所轄の労働基準監督署に届け出なければなりません。就業規則には、労働時間、休憩、休日・休暇、賃金の計算と支払の方法、そして解雇を含む退職に関する事項を定める必要があります。
日本の就業規則は、他国の従業員ハンドブックよりも重要な意味を持ちます。合理的な内容で従業員に周知されていれば、各従業員の労働契約の内容となります。就業規則に定めのない懲戒事由を適用するのは非常に困難です。また、就業規則を従業員に不利益に変更するには合理的な理由が必要で、不利益の程度、変更の必要性、交渉の経緯などによって判断されます。
外資系企業にとってのポイント
- グローバルのハンドブックだけでは足りない。 日本法人には、法定要件を満たし、当局に届け出た日本の就業規則が必要です。グループのハンドブックを翻訳しただけでは、通常は要件を満たしません。
- 解雇事由と懲戒事由は丁寧に定める。 将来、非違行為や能力不足を理由に解雇する可能性があるなら、その事由をあらかじめ就業規則に定めておく必要があります。
- 最初に正しく作るほうが、後から変えるより安上がり。 後から福利厚生を削ったりルールを厳しくしたりするには、裁判で争われうる合理的な理由が必要になります。
- 賞与や出向の条件もここに定める。 多くの紛争は、使用者の行為が就業規則で認められていたかどうかで決まります。
出典
- 労働基準法第89条から第92条
- 労働契約法第7条、第9条、第10条