日本企業は履歴書の大学名をどう読むか

海外の採用担当者は学歴欄を読み飛ばし、日本側の関係者はまずそこを読む。そのずれを埋めるためのガイドです。

日本企業は履歴書の大学名を、公式なランキングではなく、少数の共有されたグループ分けで読みます。旧帝大、早慶、MARCHと関西の関関同立です。政府が公表している唯一の一覧である文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業は2014年に37校を採択しましたが、測ったのは国際化への取り組みで、威信ではありません(文部科学省、2026年10月28日確認)。

海外の採用担当者の多くは、日本人候補者の履歴書の学歴欄をほとんど見ません。同じ選考に関わる日本側の関係者は、たいていまずそこを読みます。このずれは実際の採用で問題を起こします。グローバルチームが気に入ったショートリストを日本の経営陣が静かに低く評価する。日本側が高く買う候補者が本社には平凡に見える。どちらも不合理ではなく、別のシグナルを読んでいるだけです。このガイドは、日本側が読んでいるシグナルを海外の人事・採用担当者向けに説明するものです。

大学名が重く読まれる理由

日本の履歴書の大学名には、三つのシグナルが同時に含まれています。

このシグナルが長く残るのは新卒一括採用があるからです。日本の大企業は伝統的に、特定の職務ではなく潜在力で学生を採用し、その潜在力の主な証拠が大学でした。いま日本企業の上級管理職にいる人の多くは、この道を通ってキャリアを始めています。用語そのものは用語集の学歴を参照してください。

日本企業が使うグループ分け

以下は日本の企業、学生、メディアがすでに使っている呼び名で、当サイト独自の序列ではありません。各グループ内の並び順に意味はありません。

グループ大学主なシグナル特に強い領域
旧帝大東京、京都、大阪、東北、名古屋、九州、北海道最高水準の学力。東大・京大はその中でも別格全国。各大学は地元で最上位の名前
国立の上位専門大学一橋、東京科学大学(旧東京工業大学・旧東京医科歯科大学)特定分野で旧帝大並みの難易度金融、商社、製造業、医療
早慶早稲田、慶應義塾私立の最上位。最大規模の卒業生ネットワーク金融、商社、メディア、コンサルティング、創業者
上智・ICU・東京理科上智、国際基督教大学、東京理科大学上智・ICUは語学と国際性、理科大は理工系外資系(上智・ICU)、メーカー(理科大)
MARCH・関関同立明治、青山学院、立教、中央、法政/関西、関西学院、同志社、立命館規模が大きく堅実な私立大学大企業のホワイトカラー採用の主流
その他の国立大学神戸、筑波、広島、横浜国立、千葉と各都道府県の国立大学堅実で真面目。地元で特に強い地元企業、公的部門、製造業
次の層日東駒専(日本、東洋、駒澤、専修)、産近甲龍(京都産業、近畿、甲南、龍谷)次の層の私立大学を指す一般的な呼び名幅広い新卒採用

旧帝大

東京、京都、東北、九州、北海道、大阪、名古屋の7大学は、1886年から1939年にかけて帝国大学として設立され、現在は国立大学です(1945年以前に京城と台北に置かれた帝国大学は数えません)。多くの日本人の感覚では、東大と京大が他の5校より上に位置します。東京大学、とりわけ法学部は、長く上級官僚の大きな供給源でした。

示すもの:最高水準の学力と全国的な評価。地方の旧帝大5校は、それぞれの地域で最上位の名前です。仙台では、東北大学の卒業生は全国的な知名度の高い私立大学の卒業生とはまったく違う読まれ方をします。

伝統的な日本企業:最も強いシグナルで、経営企画、財務、法務、研究開発のコースで特に強く効きます。外資系企業:尊重され、日本法人の経営陣自身の出身校であることも多い一方、英語力や日本型の組織の外での実績と比べて評価されます。

国立の上位専門大学:一橋と東京科学大学

一橋大学は商学・経済学・法学・社会学の国立大学で、同窓会の如水会は金融と商社で強い存在感があります。「東京一工」という呼び名は、東大・京大・一橋・東工大を最難関の国立大学としてまとめたものです。

東京工業大学はその名前ではもう存在しません。2024年10月1日に東京医科歯科大学と統合し、東京科学大学(Science Tokyo)になりました。履歴書には旧校名が何十年も残ります。エンジニアの「東京工業大学」、医師・歯科医師の「東京医科歯科大学」は、今も変わらない重みで読まれます。

示すもの:より狭い分野での旧帝大並みの難易度。理工系の採用企業は東工大を、金融の採用企業が一橋を読むように読みます。

早慶

東京にある私立の二大名門です。東大・京大のすぐ下、一橋と並ぶ位置で読まれ、多くの日本企業は早慶の卒業生を地方の旧帝大の卒業生と同等に扱います。

示すもの:高い学力水準と、日本のビジネス界で最大規模の卒業生ネットワーク。慶應は特に創業者、同族企業、金融と結びつけて語られ、早稲田はメディア、政治、そして産業界の幅広い分野と結びつけて語られます。

伝統的な日本企業:最上位のシグナルで、社内の同窓会が意思決定の伝わり方に関わることもあります。外資系企業:最上位のシグナルで、経営陣にもよく見られます。コンサルティング、投資銀行、テクノロジーにも早慶の卒業生は多くいます。

上智・ICU・東京理科大学

「早慶上智」「早慶上理」のように早慶とまとめて呼ばれることがあります。上智大学と国際基督教大学(ICU)は語学、リベラルアーツ、国際色豊かな学生で知られ、外資系企業で特に高く読まれます。東京理科大学は私立の理工系大学で、メーカーや技術系の企業で評価が高い大学です。

MARCHと関関同立

MARCHは明治、青山学院、立教、中央、法政の東京の5大学で、学習院を加えてGMARCHとも呼ばれます。関西の対応するグループが関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)です。中央大学法学部は司法試験で独自の評価があります。

示すもの:堅実で信頼できる私立大学。日本の大企業のホワイトカラー採用の主流であり、候補者の上司になる管理職の多くもここの出身です。

読まれ方:良い意味で目立ちません。伝統的な日本企業でMARCHの卒業生が大学を理由に下げられることはまれで、上げられることもまれです。評価を決めるのは卒業後のキャリアです。

その他の国立大学

国立大学はすべての都道府県にあり、神戸、筑波、広島、横浜国立、千葉、金沢、岡山、熊本などは地元の外でも高い評価があります。真面目で堅実と読まれ、地元では最上位の名前です。地方国立大学の卒業生がその地域の大企業に応募する場合、知名度の高い私立大学より上に置かれることもあります。

次の層

就職関連のメディアでは、さらに二つの呼び名が使われます。日東駒専(日本、東洋、駒澤、専修)と、関西の産近甲龍(京都産業、近畿、甲南、龍谷)です。いずれも次の層の大規模な私立大学を指します。その先ではグループ分けはあまり役に立たず、日本の読み手は人物そのものを見ます。

政府の一覧:スーパーグローバル大学創成支援事業

政府が公表している唯一の一覧は文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業です。2014年に37校が採択されました。タイプA(トップ型、世界ランキングトップ100を目指す研究大学)13校と、タイプB(グローバル化牽引型、日本社会のグローバル化を牽引する大学)24校です。支援期間は2014年度から2023年度で、事後評価の結果は2025年3月に公表されました。

タイプA:

タイプB:

この一覧は、英語による授業、留学生の受け入れ、海外留学といった国際化の目標に取り組んだ大学の記録として読むべきものです。英語力や国際経験が職務に必要な場合には参考になりますが、威信の序列ではありません。一橋、神戸、同志社、中央、青山学院、東京理科は含まれていませんが、それを減点材料と読む日本企業はありません。

世界大学ランキングは?

QSとTimes Higher Educationの世界ランキングは日本の研究型大学を対象としており、本社がよく参照するものです。上位では上記のグループ分けとおおむね一致しますが、それより下についてはあまり多くを語りません。THEがベネッセと発表していた日本大学ランキングは教育リソースや学生の関与を重視していましたが、THEはこのランキングと提携を2026年から終了したとしています。日本の採用担当者がこれらに言及することはまれです。

読まれ方はどう変わるか

伝統的な日本企業外資系企業
新卒ほぼすべてのシグナル。多くの大企業はターゲット校を持ち、OB・OG訪問やセミナーも大学単位で動きます。戦略コンサルティングや投資銀行など最も選抜の厳しい企業では、英語力やインターンシップとともに今も強いシグナル。それ以外では弱まります。
中途背景情報。新卒で入った会社とその後の実績が重みの大半を占めます。それでも、有力大学なら開く扉があります。主に背景情報。英語力、多国籍企業での経験、成果が中心ですが、日本人の上司や人事責任者はまず大学を見ることがあります。
役員・取締役立場を示すものとして再び読まれます。取締役会の同僚、会長、経済メディアが目を向け、銀行、官庁、主要顧客との関係で同窓のつながりが効くこともあります。本社が気にしなくても、日本人の取締役、現地のパートナー、規制当局は読んでいます。

この表の背景には二つの点があります。第一に、中途の候補者では、新卒で入った会社がいわば二つ目の大学として読まれます。大手の商社、銀行、メーカーへの新卒入社そのものが競争的な選抜だったからです。第二に、シグナルは職位が上がるほど弱まりますが、消えはしません。取締役レベルでは、大学は日本人同士が互いを位置づける材料の一つであり、グローバルの選考委員会には十分な実績に見える候補者でも、日本側ではその観点で語られることがあります。

これが実務におけるダブルフィルターです。日本の経営陣とグローバルの関係者は別のものを見て選んでおり、大学はその見方が分かれる場所の一つです。

公正さの線引き

厚生労働省は公正な採用選考についての考え方を公表しています(厚生労働省)。基本は二つで、応募者の基本的人権を尊重すること、応募者の適性・能力に基づいた基準により選考することです。本籍・出生地、家族、宗教、支持政党など、就職差別につながるおそれのある14事項が挙げられています。応募者本人の学歴はその中に含まれず、家族の学歴は「家族に関すること」に含まれます。大学による選考を禁じる法律はありません。

ただし、違法でないことと妥当であることは別です。大学名は18歳の時点で試験の成績がどうだったかの証拠であり、能力の代理指標であって、能力そのものの測定ではありません。大学名だけで応募をふるい落とす「学歴フィルター」は日本でも広く批判されており、多くのグローバル企業の公正採用の方針とも両立しにくいものです。このガイドは大学名がどう読まれるかを説明し、その読まれ方に対処できるようにするためのもので、選考の基準として使うことを勧めるものではありません。

何をすべきか

  1. 採用を始める前に、日本側の関係者が学歴をどう読むかを確認する。日本の経営陣や取締役会にとって大学の層が重要なら、既知の要素としてブリーフに書く。最終面接で隠れた拒否権が見つかると、採用は何週間も遅れます。
  2. その職務に本当に必要なものを決める。学力水準、特定の同窓ネットワーク、英語力と国際経験は別のものです。スーパーグローバル大学の卒業生は最後のものをもたらすかもしれず、地方国立大学の卒業生はその地域で効く人脈をもたらすかもしれません。
  3. 例外は理由を示して推す。知名度の低い大学や海外の大学の出身でも、優れた候補者は活躍できます。誰も気づかないことを期待するのではなく、ショートリストで理由を示してください。
  4. 中途の履歴書は新卒で入った会社から読む。大学より、どこでキャリアを始め、その後何をしたかが重要です。
  5. 選考を公正に保つ。大学名で応募をふるい落とさず、家族の背景を尋ねない。地域のメンバーも含めて、面接官に厚生労働省の考え方を研修してください。
履歴書だけでなく、面接も。書籍『The Hardest Market in the World』(英語)の第6章「Decoding the Japanese Interview」は、日本の面接官が学歴を含めて候補者をどう読むか、日本側とグローバル側が別のものを重視するときに面接をどう進めるかを扱っています。ペーパーバック1,500円、電子書籍・Kindle版もあります:書籍のページへ。

よくある質問

日本の大学の公式なランキングはありますか?

ありません。日本企業は旧帝大、早慶、MARCH、関関同立といった共有されたグループ分けで大学を読みます。予備校は学部ごとの入試難易度を示す偏差値表を公表しており、Times Higher Educationはベネッセと日本大学ランキングを2025年版まで発表していましたが、2026年から終了したとしています。文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業は2014年に37校を採択しましたが、国際化のための補助事業であり、序列ではありません。

中途採用や役員採用でも大学は重要ですか?

新卒採用ほどではありませんが、なくなることはありません。新卒では大学がほぼすべてのシグナルです。中途では職歴と新卒で入った会社が重みの大半を占め、大学は背景情報になります。役員・取締役レベルでは、立場と人脈を示すものとして、日本人の会長・取締役や経済メディアが再び目を向けます。

日本で大学名による選考は違法ですか?

禁止する法律はありません。厚生労働省の「公正な採用選考」は、応募者の基本的人権を尊重すること、応募者の適性・能力に基づいた基準で選考することを求め、就職差別につながるおそれのある14事項を挙げています。応募者本人の学歴はその中に含まれませんが、家族の学歴は含まれます。大学名だけでふるい落とす「学歴フィルター」は違法ではないものの広く批判されており、多くのグローバル企業の公正採用の方針とも両立しにくいものです。

海外の学位はどう読まれますか?

英語力と国際経験のシグナルとして読まれますが、日本の面接官が暗記している序列はありません。著名な海外大学は直感的に位置づけられても、なじみのない大学はまったく位置づけられないことがあります。海外の学位が推薦理由の一部なら、ブリーフの段階でその意味を説明してください。

東京工業大学はどうなりましたか?

2024年10月1日に東京医科歯科大学と統合し、東京科学大学(Science Tokyo)になりました。それ以前の卒業生の履歴書には東京工業大学・東京医科歯科大学と書かれ、これまでどおりの重みで読まれます。

出典

本ページは英語版を翻訳したものです。2026年10月28日確認。訂正は editor@hardestmarket.com へ。