変更の内容
2026年3月31日に成立した令和8年度税制改正は、2026年分の所得について次の3点を変更し、いずれも2026年12月1日に施行されます。
- 基礎控除。 本則の額が58万円から62万円に引き上げられ、2026年分と2027年分には時限的な加算があります。合計所得金額489万円以下(給与収入で約665万円以下)では控除額は104万円、所得489万円超655万円以下では67万円、それを超え2,350万円以下では62万円です。
- 給与所得控除。 2026年分と2027年分について、最低保障額が65万円から74万円に引き上げられます。基礎控除と合わせ、給与収入178万円までは所得税がかからなくなります。
- 扶養親族の所得要件。 扶養親族や配偶者が主な控除の対象となる合計所得金額の上限は、58万円から62万円(給与収入136万円)に引き上げられます。配偶者特別控除と19歳から22歳の親族に対する特別控除は、所得133万円と123万円まで段階的に縮小する形となり、勤労学生の所得要件は89万円となります。
2026年1月から11月までの源泉徴収は変わりません。差額は2026年12月の年末調整で精算されるため、多くの従業員の還付額が増えます。改正を反映した新しい源泉徴収税額表は2027年1月から適用されます。
対象
年末調整を行うすべての事業主とすべての従業員、特に働く配偶者や学生の子どもがいる従業員です。
企業が取るべき対応
- 給与計算の委託先の2026年用の様式と表を確認する。 年末調整には、国税庁の改正後の「給与所得控除後の給与等の金額の表」を使用しなければなりません。
- 11月に修正後の申告書を回収する。 要件の引上げにより扶養親族が増える従業員は、2026年12月1日の改正を記載した扶養控除等(異動)申告書を提出しなければなりません。
- 12月の還付に備える。 還付は12月に納付すべき源泉所得税から行われます。還付額が大きい場合は翌月以降に繰り越されることがあります。
- 退職者に知らせる。 2026年の最終給与が12月1日より前の従業員は、給与計算を通じて新しい控除を受けられないため、確定申告が必要です。
出典
- 所得税法第2条、第28条、第84条、第86条及び租税特別措置法第41条の16の2(令和8年度税制改正による改正後)
- 国税庁、源泉所得税の改正のあらまし(2026年4月)及び令和8年分の基礎控除の引上げに関するQ&A(2026年5月)