変更の内容
2025年の年金制度改正法(令和7年法律第74号、2025年6月20日公布)と政令(令和7年政令第442号)により、私的年金の拠出限度額が二段階で変わります。
2026年4月1日から、企業型確定拠出年金(DC)の加入者掛金(マッチング拠出)は事業主掛金を超えられないという要件が廃止されました。合計が制度の限度額内であれば、従業員は事業主より多く拠出できます。この仕組みを利用するには規約の変更が必要です。
2026年12月1日から、限度額が引き上げられます。
- 企業型DC: 月額5万5,000円から6万2,000円へ。確定給付型の他制度掛金相当額がある場合はその額を控除します。
- 会社員のiDeCo: 月額6万2,000円から事業主のすべての年金掛金を差し引いた額。企業年金がある場合の2万円、ない場合の2万3,000円という個別の上限は廃止され、企業年金のない従業員は6万2,000円まで拠出できます。
- 自営業者のiDeCo: 国民年金基金と合わせて6万8,000円から7万5,000円へ。
- 年齢: iDeCo加入者と企業年金から資産を移換した人は、老齢基礎年金やiDeCoの給付を受給していなければ、新たな区分により70歳まで拠出を続けられます。
掛金は引き続き全額が所得控除の対象です。
対象
企業型DCを実施している、または導入を検討している事業主とその従業員。企業年金のない従業員にとって、iDeCoの有用性は大きく高まります。
企業が取るべき対応
- 12月までに制度変更を決める。 事業主掛金を新しい限度額まで引き上げるか、マッチング拠出の拡大を認めるかを運営管理機関と協議し、規約を変更します。
- 事業主掛金とiDeCoの枠をあわせて試算する。 事業主が拠出する1円ごとに、従業員のiDeCoの枠が1円ずつ減ります。
- 11月中に従業員に知らせる。 12月からiDeCoやマッチング拠出を増やしたい従業員は多いため、具体的な金額を示します。
- 上級職のオファーに活用する。 所得控除の対象となるDCを月額6万2,000円まで満額拠出できることは、控えめながら確かな待遇として提示できます。
出典
- 確定拠出年金法(令和7年法律第74号による改正)、令和7年政令第442号(拠出限度額)。
- 厚生労働省年金局、2026年12月1日施行の省令に関する2026年6月30日付通知。
- 厚生労働省、2026年12月からのiDeCoの改正に関するリーフレット、および私的年金制度改正に関する資料(2026年4月からのマッチング拠出)。