2015年12月1日から、労働者50人以上のすべての事業場は、年1回、各労働者にストレスチェックを実施しなければならなくなりました。これは質問票による検査で、通常は厚生労働省の標準的な57項目版を用い、職場のストレス要因、本人の心身の反応、上司や同僚からの支援を尋ねます。実施するのは企業ではなく医師、保健師などの実施者で、事業場は実施したことを労働基準監督署に報告しなければなりません。
制度は秘密の保持を軸に設計されています。個人の結果は本人に通知されます。企業は本人の同意なく結果を見ることはできず、検査を受けないこと、医師の面接指導を申し出たこと、または結果を理由に不利益な取扱いをしてはなりません。高ストレス者と判定された従業員は医師による面接指導を申し出ることができ、企業はそれを実施し、医師の意見を聴いて、労働時間の短縮や業務の変更など必要な措置を講じなければなりません。結果をチームごとに分析して問題のある部署を把握する集団分析は、現時点では努力義務にとどまります。
労働者50人未満の事業場には、これまで努力義務が課されていただけでした。2025年5月14日に公布された労働安全衛生法の改正により、こうした事業場にも実施が義務化されます。施行日は政令で2028年4月1日と定められました。
外資系企業にとってのポイント
- 会社単位ではなく事業場単位で数える。 基準は事業場ごとに適用されます。120人の日本法人に30人の支店がある場合、小規模事業場の規定が施行されるまでは、それぞれで義務が異なります。
- 結果を地域統括に回さない。 本人の同意なく個人の結果を地域の人事チームやライン管理職と共有することは法律違反です。適切に匿名化された集団分析こそ、経営にとって有用なアウトプットです。
- 高ストレスの結果は安全配慮義務のシグナル。 医師が業務の軽減を勧めたのに何も変わらなければ、その記録は、後に従業員が病気になった場合に重要な意味を持ちます。
- 小規模オフィスは今から準備を。 外資系子会社の多くは50人未満で、ストレスチェックを実施したことがありません。期限までに実施機関を確保しておきましょう。
出典
- 労働安全衛生法第66条の10(2015年12月1日施行)
- 労働安全衛生法の一部を改正する法律(2025年5月14日公布)、および労働者50人未満の事業場について施行日を2028年4月1日と定める政令
- 山梨労働局、2028年4月1日からの労働者50人未満の事業場におけるストレスチェック義務化に関するお知らせ
- 厚生労働省「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」