この法律は1993年にパートタイム労働法として始まりました。働き方改革によって有期雇用労働者にも対象が広げられて名称が変わり、一つの法律で両者をカバーするようになりました。短時間労働者に該当するかどうかは、職名ではなく、同じ事業主の正社員と比べた労働時間で決まります。1年契約でフルタイムで働く契約社員は、有期雇用労働者として対象になります。
この法律の主な内容は三つです。第一に、正社員との間の不合理な待遇差を、第8条に基づき待遇ごとに判断して禁止し、職務の内容と、職務の内容及び配置の変更の範囲が同じ場合には、第9条により一切の差別的取扱いを禁止しています。第二に、昇給、賞与、退職手当の有無や相談窓口などの事項を書面で明示することを使用者に義務付けています。第三に、第14条により、労働者から求められた場合、使用者は待遇差の理由を説明しなければならず、説明を求めたことを理由に不利益な取扱いをしてはなりません。また、正社員の募集を周知するなど、こうした労働者が正社員へ転換できるよう措置を講じることも求められています。
最新の改正は手続面のものです。2026年10月1日から、雇入れ時と更新時に交付する労働条件の書面に、正社員との待遇の相違の内容と理由について説明を求めることができる旨を記載しなければなりません。同時に、政府の同一労働同一賃金ガイドラインも改正され、賞与、退職手当、その他の手当についての記述が拡充されました。
外資系企業にとってのポイント
- 想定以上に多くの社員が対象になる。 契約社員、定年後再雇用者、短時間勤務の専門職はいずれも対象で、小規模な日本法人でも同様です。
- 今すぐひな形を更新する。 2026年10月以降に交付する雇入れと更新の書類には、理由の説明を求める権利についての新たな記載が必要です。
- 質問が来る前に説明を準備する。 説明の拒否や曖昧な回答は、それ自体が違反です。正社員には支給され、他の社員には支給されない手当や福利厚生ごとに、書面で理由を整理しておきましょう。
- 上級の契約社員も例外ではない。 高額報酬の有期契約の役職者も、有期雇用労働者であることに変わりはありません。その層でこの法律が問題になることはまれですが、労働契約法の無期転換と更新のルールは適用されます。
出典
- 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律第6条、第8条、第9条、第13条、第14条(2020年4月施行、中小企業は2021年4月施行の改正後)
- 厚生労働省、改正施行規則及び同一労働同一賃金ガイドライン(2026年4月28日公布、2026年10月1日施行)