伝統的な日本企業は退職時に退職手当を支払います。一時金、企業年金、またはその両方です。計算式は通常、基礎額に勤続年数に応じた係数を掛けるもので、定年退職や会社都合退職に比べ、自己都合退職には低い係数が適用されます。勤続とともにカーブが急になるため、とどまることに報い、キャリア半ばの転職には不利に働きます。
法律上の義務はありません。しかし就業規則に定める場合、企業は対象者、計算方法、支払時期を定めなければならず、退職金は従業員が請求できる賃金となります。現在では多くの企業が、帳簿上の支払ではなく、確定給付型や確定拠出型の制度を通じて積み立てています。
税制上の扱いは手厚いものです。退職所得控除は勤続20年までは1年につき40万円、それ以降は1年につき70万円です。控除後の残額の2分の1が、他の所得と分離して課税されます。勤続5年以下の役員等についてはこの2分の1課税が制限され、勤続5年以下の従業員についても一部制限されます。2026年1月から、会社からの退職金とiDeCo(個人型確定拠出年金)の一時金の間で控除を調整するルールが厳しくなり、シニア層がそれぞれをいつ受け取るかの判断に影響しています。
外資系企業にとってのポイント
- 応募者の報酬パッケージに隠れた要素。 日本企業に20年勤めた従業員が定年前に退職すると、多額の退職金を手放すか、自己都合退職の減額された水準を受け入れることになりかねません。何を失うのかを尋ねましょう。
- 自社で退職金を設けるかを決める。 設けていない外資系企業は多くあります。代わりに現金報酬を高くするのが一般的ですが、シニアの応募者からは話題に上ることを想定してください。
- 退職パッケージの自然な受け皿になる。 合意退職の解決金は、税制上の扱いもあって、通常は割増退職金として支払われます。
- 買収先を確認する。 買収する日本企業が、積立不足の退職金債務を抱えていることがあります。
- オファーに織り込む。 日本企業に15年から20年勤めたシニア幹部の場合、転職で手放す退職金は数千万円に上ることがあります。サインオンの仕組みや権利確定の前倒しで補うか、少なくともそのトレードオフを率直に示しましょう。それを無視したオファーは、見出しの金額にかかわらず減給と受け取られます。
出典
- 労働基準法第89条(第3号の2)
- 所得税法第30条、第201条(退職所得)
- 国税庁、退職所得および2025年度税制改正に関する解説