社宅には、大手メーカーの寮や会社所有の集合住宅から、雇用主が一般の賃貸市場で借りて従業員に転貸する住宅、いわゆる借上げ社宅まで、さまざまな形態があります。終身雇用と頻繁な転勤とともに発展してきたもので、全国どこへでも社員を送り出す会社が、赴任先での住まいを用意するという考え方です。
その価値は税務上の扱いにあります。一般の従業員について、国税庁は月額の賃貸料相当額を、建物の固定資産税評価額の0.2%、床面積3.3平方メートル当たり12円、土地の固定資産税評価額の0.22%の合計として算定します。従業員がこの額の半分以上を負担していれば、残りの補助分は給与として扱われません。負担額がそれより少ない場合は、負担額と賃貸料相当額との差額全体が課税されます。賃貸料相当額は、特に東京都心では市場家賃を大きく下回るのが通常であるため、住宅を借り上げて従業員から控えめな家賃を徴収する会社は、同じ金額を住宅手当として支払うよりも、税引後ではるかに多くを提供できます。この計算のため、会社は貸主から物件の固定資産税評価額を入手する必要があります。
役員についてはルールが厳しく、50%の安全基準はありません。賃貸料相当額に対する不足分はすべて給与として課税されます。小規模な住宅、すなわち床面積132平方メートル以下(法定耐用年数が30年を超える建物は99平方メートル以下)の住宅は、従業員と同じ算式を用います。それより大きい住宅の賃貸料相当額は、建物の固定資産税評価額の12%(耐用年数が30年を超える建物は10%)と土地の固定資産税評価額の6%の合計を12で割った額です。会社が借り上げている場合は、この額と会社が支払う家賃の50%のいずれか高い額が賃貸料相当額となります。豪華社宅、すなわち一般に床面積240平方メートル超のもの、またはそれより小さくてもプールなどの設備があるものは、市場家賃で評価されます。
社会保険には独自の方法があります。この利益は、厚生労働大臣が都道府県ごとに定める月額から従業員が支払う家賃を差し引いて評価し、標準報酬月額の決定の際に報酬に加算されます。2026年9月30日までは居住用の室の畳1畳当たりの額(東京都は2,830円)でしたが、2026年10月1日からは台所、浴室、廊下を含む総床面積1平方メートル当たりの額(東京都は1,330円)となりました。
外資系企業にとってのポイント
- 上級人材や赴任者の住居を用意する標準的な方法。 会社名義で住宅を借り、50%の基準を上回る家賃を従業員から徴収するのは一般的かつ正当な方法です。
- 数字を正しく計算する。 税務上のメリットは、正しい計算と従業員による家賃負担にかかっています。会社が全額を負担し家賃を徴収しない住宅は、課税対象の経済的利益となります。
- 役員は別に扱う。 カントリーヘッドが子会社の取締役であれば、役員のルールが適用され、メリットは小さくなります。
- 候補者からの質問を想定する。 大手日本企業の社員は、手厚い補助のある社宅に住んでいることがあります。転職でそれを失うことは大きなコストになり得るので、確認したうえでオファーに織り込みましょう。
出典
- 国税庁、タックスアンサーNo.2597(使用人に社宅や寮などを貸したとき)、No.2600(役員に社宅などを貸したとき)。
- 所得税法第36条(現物給与)。
- 厚生労働省、現物給与の価額に関する告示、および日本年金機構、都道府県別の現物給与の価額表と2026年10月の住宅の価額の見直しに関するQ&A。