変更の内容
事業主が住宅を提供する場合、その価額は報酬に含まれ、健康保険料・厚生年金保険料の基礎となる標準報酬月額の算定に用いられます。価額は厚生労働大臣が都道府県ごとに定めます。2026年3月17日の厚生労働省告示(令和8年厚生労働省告示第94号)により、食事については2026年4月から、住宅については2026年10月1日から価額が改定されました。
2026年9月30日までは、住宅の価額は居住用の室の畳数のみで評価され、玄関、台所、トイレ、浴室、廊下は除かれていました。2026年10月1日からは、これらを含む住宅全体の延床面積1平方メートル当たりで評価されます。別棟の物置や車庫、共用部分は除かれます。従業員が家賃を負担している場合は、その額を差し引きます。
日本年金機構が示す東京都の例では、居住用の室が16畳、延床面積が40平方メートルの住宅の価額は月額45,280円でしたが、10月からは53,200円になります。適用されるのは住宅の所在地ではなく、従業員の勤務地の都道府県の価額です。健康保険組合では独自の取扱いがある場合があります。
日本年金機構はこの改定を固定的賃金の変動として扱うため、標準報酬月額の随時改定の契機となり得ます。
対象
社有または借上げの社宅や寮を従業員に提供している事業主。赴任者や上級職の採用者に住宅を提供する外資系子会社も含みます。税務上の評価は別であり、影響を受けません。
企業が取るべき対応
- 社宅に入居するすべての従業員について再計算する。 各物件の延床面積を確認し、2026年10月から新しい価額を適用します。
- 随時改定の要否を確認する。 新しい価額を含めた10月から12月の報酬の平均で2等級以上の差が生じる場合は、2027年1月から月額変更届を提出します。
- 対象の従業員に知らせる。 社会保険料の控除額が増える可能性があるため、理由を説明します。
- 徴収している家賃を見直す。 従業員の負担する家賃は価額から差し引かれるため、家賃設定は税務と社会保険の両方に影響するようになりました。
出典
- 厚生労働大臣が定める現物給与の価額の一部を改正する告示(令和8年厚生労働省告示第94号、2026年3月17日)。
- 日本年金機構、2026年度の都道府県別の現物給与の価額表、および2026年10月からの住宅の取扱い変更に関するQ&A。