この言葉は皮肉を含んでいます。残業を会社への無料の「サービス」として提供する、という意味だからです。タイムカードを打った後に残ること、仕事の持ち帰り、記録されない準備のための早出、そしてマネジャーが部下に実際より少ない時間を記録させることまでが含まれます。定時に帰るのは熱意が足りない証拠だという考え方に支えられ、数十年にわたり公然の秘密となっていました。
法的には明快です。明示か黙示かを問わず、使用者の指示のもとで働いた時間は労働時間であり、法定の上限を超えた時間には割増賃金を支払わなければなりません。支払わないことは労働基準法違反であり、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象となります。より大きなリスクは民事上のものです。2020年4月以降、賃金請求権の消滅時効は原則5年とされ、経過措置により当分の間は3年となっています。それ以前は2年でした。さらに裁判所は、未払い賃金と同額までの付加金の支払いを使用者に命じることができます。
2019年4月以降、使用者は、管理職を含むすべての従業員の労働時間を、タイムカードやパソコンのログデータなど客観的な方法で把握しなければなりません。労働基準監督署は、記録された労働時間とログオン記録との乖離を証拠として扱います。2024年には、監督官があらゆる種類の賃金不払い2万2,000件以上に対応し、約170億円の支払いを実現しました。
外資系企業にとってのポイント
- 責任は3年分さかのぼる。 パソコンのログと不満を抱えて退職する従業員は、3年分の未払い割増賃金に加えて付加金を請求でき、退職交渉の場でそれを持ち出すことがよくあります。
- ログと勤怠記録を照合する。 システムのログオフ時刻が記録上の労働時間を日常的に数時間上回っているなら、リスクはすでに存在します。
- 肩書では免除されない。 実際の権限を与えずにチームリーダーに管理職の肩書を付けても、残業代の支払義務はなくなりません。
- オファー段階では給与体系が重要。 残業代が全額支払われていた会社の候補者は、それを希望年収に織り込んできます。年収の項目を参照してください。
出典
- 労働基準法第32条、第37条、第114条、第115条、第119条、附則第143条。
- 労働安全衛生法第66条の8の3(2019年4月施行)。
- 厚生労働省、2024年の賃金不払に関する監督指導の結果。