この区分は、企業がハローワークに提出する離職証明書に記載され、社員は離職票として受け取ります。最も大きく影響するのは雇用保険です。解雇、人員整理、倒産、企業の退職勧奨を受けた退職などの会社都合で離職した人は、離職前1年間に6か月の被保険者期間があれば受給資格を得て、通常の7日間の待期期間の後に給付を受け、年齢と被保険者期間に応じて90〜330日分の給付を受けられます。自己都合で退職した人は、離職前2年間に12か月の被保険者期間が必要で、2025年4月以降は給付開始までさらに通常1か月待ち、給付日数は90〜150日です。健康上の理由による退職や、本人の希望に反して有期契約が更新されなかった場合など、一部の自己都合の離職は、より有利に扱われます。
この区分は退職金にも影響します。多くの企業の制度では自己都合退職者に低い係数を適用するため、同じ勤続年数でも一時金の額が大きく異なることがあります。企業側では、会社都合の離職によって政府の雇用関係助成金を受けられなくなることがあります。厚生労働省の助成金の多くは、対象となる時期の前後に解雇や退職勧奨を行った企業を除外しています。たとえば有期雇用の社員を正社員に転換するキャリアアップ助成金では、転換の6か月前から6か月後までの期間に事業所でそうした離職が1件でもあれば支給対象外となり、会社都合として扱われる離職者の割合が被保険者数の6%を超えた場合も(3人以下の場合を除き)対象外となります。
これほど多くのことが左右されるため、この区分は退職交渉の論点になることがよくあります。退職を求められた社員は、通常、会社都合を強く求めます。社員は企業の区分についてハローワークで異議を申し立てることもでき、ハローワークは形式ではなく事実に基づいて判断します。
外資系企業にとってのポイント
- 事実のとおりに記録する。 退職を勧奨したのであれば、それは会社都合の離職です。助成金や人員の指標を守るために自己都合として記録すれば、紛争を招きます。
- 退職パッケージの一部にする。 交渉による退職では、会社都合に同意しても企業側の負担は小さく、社員にとっては大きな価値があることが多いものです。
- 採用者が何を手放すのかを把握する。 貴社に入社するために退職する候補者は自己都合退職となり、低い退職金支給率が適用されることがあります。転職のコスト分析に含めましょう。
- 取締役は扱いが異なる。 取締役は一般に雇用保険の対象外であるため、社員ほどこの区分は重要ではありません。
出典
- 雇用保険法第13条、第22条、第23条、第33条(受給資格、給付日数、自己都合退職者の給付制限。2025年4月1日施行の改正後のもの)。
- 厚生労働省・ハローワーク、特定受給資格者と給付日数に関する案内。
- 厚生労働省、キャリアアップ助成金支給要領(2026年4月)、正社員化コース。