JLPTは、海外では国際交流基金が、日本国内では日本国際教育支援協会が実施しています。2010年以降は5つのレベルがあります。N5とN4は基礎的な日本語、N3は日常的な場面への橋渡しとなるレベルです。N2は日常的な会話を理解し、新聞記事など一般的な文章を読めること、N1は複雑な文章を含め幅広い場面で日本語を理解できることを示します。試験は日本国内と多くの国で、7月と12月の同じ日に実施されます。2025年は2回の試験でそれぞれ約91万2,000人と約105万人が応募し、いずれも過去最多でした。
この試験には限界があります。多肢選択式で、出題範囲は語彙、文法、読解、聴解だけです。話す力や書く力は測らず、合格証に有効期限もありません。10年前にN1に合格し、その後英語で仕事をしてきた人が、最近N2に合格した人より日本語が弱くなっていることもあり得ます。
この試験が重みを持つのは、在留資格と採用に関わるからです。高度専門職のポイント表ではN1で15点、N2で10点が加算されます。N1は特定活動の告示46号の要件です。2026年4月15日以降、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で外国人を受け入れる小規模な企業は、職務が言語を用いた対人業務を含む場合、CEFR B2相当の語学力の証明を提出しなければなりません。日本語の場合、N2以上がこの水準を満たします。
外資系企業にとってのポイント
- シニアの職務では、N1かN2が事実上の基準。 日本にいる外国人の多くはその手前の日常会話レベルで伸び悩み、その線を下回る候補者は、人が見つからないと言っている企業でさえ当たり前のように見送ります。
- 合格証だけで絞り込まない。 日本語で何年も会議を回してきた力のあるN2の候補者が、実務ではN1保有者を上回ることもあります。一つの条件で候補者リスト全体をふるい落とすと、最適な人材を逃しかねません。
- 職務に必要な力を確かめる。 JLPTは話す力を一切測らないため、職務が日本語に依存するのであれば、面接の一部を日本語で行うか、筆記の課題を課しましょう。
- 日本企業でもN2を受け入れる動きが広がっている。 人手不足の国内企業は、かつてネイティブ並みの日本語を求めていた職務に、N2の外国人を採用し始めています。同じ候補者をめぐる競争が広がっています。
出典
- 国際交流基金・日本国際教育支援協会、日本語能力試験の概要と認定の目安。
- 日本語能力試験、2025年7月および2025年12月試験の実施結果の概要(応募者数)。
- 出入国在留管理庁、高度専門職ポイント計算表(日本語能力に関する特別加算)、および2026年4月15日以降の就労資格申請における追加提出書類。