障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)は、民間企業に法定雇用率を定めています。法定雇用率は2024年3月までは2.3%、2024年4月から2.5%、2026年7月1日から2.7%です。雇用義務の対象となるのは、2.7%の段階では常用労働者37.5人以上の事業主で、2.5%の段階の40人以上から引き下げられました。身体障害者、知的障害者、精神障害者(2018年に義務化の対象に追加)が、それぞれの手帳を所持していることを条件に算定対象となります。重度障害者は1人を2人として、週20時間以上30時間未満の短時間労働者は原則として0.5人として算定します。
雇用率制度は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営する納付金・調整金制度によって裏付けられています。常用労働者100人超の事業主で法定雇用率を下回る場合、不足1人につき月額50,000円を納付します。法定雇用率を上回る事業主には、超過1人ごとに調整金が支給されます。事業主は毎年6月に雇用状況を報告しなければならず、ハローワークの指導後も著しく不足している企業は企業名を公表されることがあります。
日本の大企業の多くは、グループ全体での算定が認められる特例子会社を活用して、雇用率の一部を満たしています。
外資系企業にとってのポイント
- 納付金は小さなコストにすぎない。 多くのグループにとっては、納付金そのものよりも、企業名の公表や、サステナビリティ報告で障害者雇用の数字が見劣りすることの方が重大です。
- 事業の成長で対象に入る。 従業員が37.5人を超えた子会社には雇用義務が生じ、100人を超えると納付金の対象になります。要員計画に織り込んでおいてください。
- 人材の獲得競争は激しくなっている。 事務職の経験を持つ障害のある候補者、特にバイリンガル人材は見つけにくいのが実情です。専門の人材紹介会社とハローワークが主なチャネルです。
- 合理的配慮は別の義務。 雇用率を満たしているかどうかにかかわらず、事業主は合理的配慮を提供し、差別をしてはなりません。
出典
- 障害者の雇用の促進等に関する法律、および雇用率を定める政令
- 厚生労働省、2.5%(2024年4月)および2.7%(2026年7月)の法定雇用率に関する通知
- 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、障害者雇用納付金制度