伝統的な日本企業では、新卒採用が正面玄関であり、中途採用は新卒のパイプラインで埋められない穴を補うための通用口でした。中途入社者は何年にもわたって外様として扱われることもありました。
それが変わりました。人手不足、デジタル人材の不足、ジョブ型雇用への緩やかな移行により、大企業は経験者を大量に採用するようになりました。2021年4月以降、従業員300人超の企業は正規雇用の採用に占める中途採用者の割合を公表しなければならず、この比率は企業が競い合う指標となっています。
外資系企業にとってのポイント
- いまや日本企業と同じ人材を奪い合っている。 10年前、バイリンガル人材の中途採用市場は、主に外資系企業同士の人材の取り合いでした。現在は日本の大企業も参入しており、競争力のある報酬を提示する企業もあります。
- 選考プロセスへの期待が異なる。 中途の候補者は、履歴書だけでなく職務経歴書を前提とし、面接は通常2〜4回です。口頭での合意よりも、給与、役職、入社日を明記した内定通知書のほうが重視されます。
- 退職予告と有休消化で入社日が延びる。 法律上の最短の予告期間は2週間ですが、慣行や契約により1〜3か月に延びることが多く、候補者はさらに退職前に貯まった有給休暇を消化します。内定から入社まで2〜3か月かかるのが普通です。
- 最初の扉を開くのは今も学歴。 現在シニアリーダー層にある世代にとって、出身大学と在籍期間の長さは今も読み取りやすいシグナルです。2年ごとに転職している候補者は、意欲的というより我慢が足りないと受け取られます。ただし中途採用やテクノロジー人材の採用では、検証済みのポートフォリオやケース課題がより良いオファーを左右するようになっています。
出典
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法):従業員300人超の企業による中途採用比率の公表(2021年4月1日施行)。