日本の中途採用の3分の1は求人媒体経由。しかし上位層では、その比率が崖のように落ち込む

主要10媒体の本当の使いどころと、シニア層やバイリンガル人材の採用になった途端に「3人に1人」という数字が崩れる理由。

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日本に着任した人事責任者は、最初の1カ月のうちに必ず同じ質問をします。「どの求人媒体に掲載すればよいのか」。その直感は正しいのですが、最初に問うべき質問ではありません。

日本には厚みがあり、資金力に富み、技術的にも非常に優れた求人媒体業界があります。登録者数がオーストラリアの全労働人口を上回るサイトが4つもあり、中途採用全体のおよそ3分の1を充足しています。その一方で、在日外資系企業の多くが埋めようとしているポジションに関しては、ほぼ完全に機能していません。

この2つは同時に成り立ちます。本稿では、数字が実際に何を示しているのか、10のプラットフォームが実際に何をしているのか、そして市場の現実に耐えうるチャネル戦略をどう組み立てるかを見ていきます。

数字:およそ3人に1人

最も信頼できる出典は、厚生労働省の雇用動向調査です。常用労働者5人以上の事業所を対象に、新たに入職した人がどのような経路で職を得たかを調べています。非新卒入職者の入職経路の内訳は次のとおりです。

つまり、およそ3分の1です。日本の人事部長が集まる場でそう言っても、間違いにはなりません。

ただ、この数字そのものより興味深い点が2つあります。

第一に、日本は欧米より求人媒体への依存度が低いのではなく、高いのです。米国の採用経路調査では、求人サイト経由は採用のおよそ4分の1で、優れた企業では社員紹介が大きな役割を果たしています。日本の33.2%はそれを上回ります。「日本は人間関係で採用する」という通説は半分だけ正しいと言えます。縁故採用の23.5%は欧米の基準からすれば非常に大きな数字ですが、それでも広告経由の方が多いのです。

第二に、平均値は実態を見誤らせます。この33.2%は、従業員5人以上のあらゆる事業所のあらゆる入職者を含んだ数字です。コンビニのシフトリーダー、工場のライン作業員、派遣からの直接雇用への切り替え、地方の営業担当者まで含まれます。求人媒体は、大量・日本語・地元志向の採用で圧倒的な強さを発揮し、その分野では非常に優秀です。しかし職位が上がるにつれて、その分布は逆転します。

崖はどこにあるのか

それを示すのが、民営職業紹介所の数字です。全国で見ると、職業紹介所が充足しているのは非新卒入職者の6.3%にすぎず、誤差のような水準です。しかしこの6.3%は均等に分布しているわけではありません。2009年には2.1%だったものがその後3倍になり、大企業、専門職、上位ポジションに集中しています。

一方、ホワイトカラー向け人材紹介市場は2024年度だけで12.0%成長し、約4,490億円に達しました。矢野経済研究所は、この成長の要因を管理職層や高度専門人材への需要にあると明確に指摘しています。国内の有料職業紹介事業者数は、今や3万500を超えています。

理論年収の30〜35%を手数料として受け取る業界が年12%も成長するのは、求人媒体がそうしたポジションを埋められていないからにほかなりません。

同じことは、求人媒体各社の製品そのものにも表れています。日本のハイクラス採用プラットフォームであるビズリーチ、リクルートダイレクトスカウト、doda Xは、応募を集めるための求人広告を売っているわけではありません。ヘッドハンターや社内リクルーターが自ら候補者にアプローチできるよう、候補者データベースへのアクセスを売っているのです。ビズリーチだけでも約8,400人のヘッドハンターが登録し、281万人の会員にアプローチしています。プラットフォーム自身のビジネスモデルが、この点を認めているのです。市場の最上位層では、誰も応募してきません。誰かが声をかけられるのです。

したがって、実務上の示唆は2つの方向に分かれます。バイリンガルの課長以上を採用する場合、あるいは語学・職種・業界の条件を掛け合わせると適格者が全国で数百人に満たないようなポジションを採用する場合、求人媒体はブランディング費用と応募獲得の選択肢として予算化すべきであり、充足のためのチャネルと考えるべきではありません。大阪で日本語のインサイドセールス担当者を10人採用するのであれば、求人媒体こそが充足チャネルであり、人材紹介会社を使うのは高くつく間違いです。

押さえておくべき10媒体:大量採用向け

以下の料金は、代理店値引き前の標準的な4週間掲載料金です。おおよその目安としてご覧ください。

1. Indeed JapanとIndeed PLUS

概要 求人検索エンジンから、求人流通の基盤へと成長したサービスです。月間利用者は3,500万人を超え、日本の採用市場で単独としては最大のオーディエンスを抱えています。2024年1月以降、リクルートは自社媒体をIndeed PLUSに統合しました。Indeed PLUSは、1つの求人をリクナビNEXT、タウンワーク、とらばーゆ、はたらいく等、最大10の求人サイトに自動で掲載する求人配信プラットフォームです。

強み 他の追随を許さないリーチ。クリック課金のため、支出は関心の高さに連動します。採用ページを適切に構成すれば、無料のオーガニック掲載も可能です。

弱み 量はあっても選別がなく、多くの応募者を選考することになります。シニア層とバイリンガル人材には弱い。Indeed PLUSでは価格設定と掲載位置の決定がアルゴリズムに移り、多くの企業がコントロール手段を失ったと感じています。

用途 大量採用、時給制の採用、地方採用、そして他のすべての施策を下支えする無料のセーフティネットとして。

2. リクナビNEXT(リクルート)

概要 リクルートの中途採用の主力媒体で、市場最大の単一データベースです。登録会員数は約1,300万人で、労働力人口のおよそ5分の1に相当します。現在はIndeed PLUSを通じて配信されています。

強み ブランド認知度が高いため、知名度の低い外資系企業でも目に留まります。単一サイトとしては最も幅広い層をカバーしています。

弱み その幅広さこそが問題です。応募数が多く、選考の負担が重く、有望な候補者の密度は低くなります。4週間で20万〜120万円。

用途 大きな母集団が必要で、それを選別できる人員がいるジェネラリスト職の採用に。

3. doda(パーソルキャリア)

概要 市場で最も使い勝手のよいハイブリッド型です。求人サイト、人材紹介、スカウトプラットフォーム(doda X)が、1つの候補者プールで運営されています。登録会員数は2025年半ば時点で約990万人、2025年後半には1,000万人を超えました。

強み 経験豊富な中途人材に本当に強い。求人サイトで始めた募集を、同じ案件のまま人材紹介部門に引き継ぐことができます。

弱み その引き継ぎの仕組みは、利益相反でもあります。60万円の求人広告と300万円の紹介手数料のどちらで候補者を決めるかを、同じ会社が判断するのです。掲載料金は4週間で25万〜85万円と、高めの水準です。

用途 日本語での経験者採用。営業、エンジニア、コーポレート部門など。

4. マイナビ転職

概要 マイナビの中途採用サイトで、2025年9月時点の会員数は約900万人です。大手4媒体の中で地方での存在感が最も強く、オフラインの大規模な転職フェアも運営しています。

強み 東京・大阪以外へのリーチでは他を圧倒します。若年層が中心。地方の中小企業からの信頼も厚い媒体です。

弱み 中堅層より上は手薄です。バイリンガル人材には弱い。上位プランは4週間で150万円に達します。

用途 工場、支店、地方拠点の採用。関東・関西圏以外のあらゆる採用に。

5. エン転職(エン・ジャパン)

概要 中途採用媒体の中で会員数が最大の約1,220万人を誇り、編集面でも最も個性的な媒体です。エン・ジャパンは自社の取材担当者を企業に派遣して取材し、求人広告を自ら執筆します。そこには、仕事の厳しさについて書く欄が必ず設けられています。

強み この「厳しさ」の欄は単なる演出ではなく、早期離職を減らす効果があります。早期離職は日本では現実のコストです。会員の6割以上が34歳以下です。

弱み 編集の主導権は企業側ではなくエン・ジャパンにあります。掲載までのリードタイムが長い。若年層中心のため、管理職以上の採用には向きません。4週間で28万〜120万円。

用途 スピードよりも定着が重視される、若手から中堅層の採用に。

押さえておくべき10媒体:シニア・専門職向け

6. ビズリーチ(Visional)

概要 日本のハイクラス向けスカウト市場を生み出したプラットフォームです。会員数は約281万人、登録ヘッドハンターは約8,400人で、求人の半数以上が年収1,000万円超です。候補者はすべての機能を使うために有料会員になる必要があり、それ自体が質のフィルターになっています。

強み 現在在職中で、積極的には転職活動をしていない日本のシニアプロフェッショナルを確実に見つけられる唯一のデータベースです。ダイレクトリクルーティングの機能も成熟しています。

弱み これは採用サービスではなく、いわば「狩猟免許」です。リクルーターの工数を消費し、ほとんどの企業はその工数を過小評価しています。定型的なスカウトメールへの返信率は低い。年間ライセンスで見ると高額です。

用途 部長職以上、専門職、そして自社でアプローチを行うあらゆるサーチに。

7. リクルートダイレクトスカウトとdoda X

概要 ビズリーチに対するリクルートとパーソルの回答です。リクルートダイレクトスカウトには約1万人のヘッドハンターが登録し、doda Xには約7,300人のヘッドハンターと40万人超の会員がいます。

強み 候補者は無料で利用できるため、ビズリーチに比べて候補者層がやや広く、自己選別の度合いも低くなります。転職サイトにお金を払うことはないであろう人材にも届きます。

弱み 会員1人あたりのエンゲージメントは低めです。ヘッドハンターの利用が多いため、送ったスカウトは同じ受信箱の中で何十通ものスカウトと競合します。

用途 ビズリーチを軸としたダイレクトリクルーティングを補完する第二の網として。第一の選択肢ではありません。

8. Green、Findy、Wantedly:テック・スタートアップ系

概要 エンジニア採用に対する、それぞれ異なるアプローチです。Green(アトラエ)は完全成功報酬型で、勤務地により1人あたり約30万〜90万円、掲載費用はかかりません。Findyは候補者の実際のGitHubでの活動をもとにスキルを評価する仕組みで、累計登録者数は約26万7,000人、導入企業は4,000社を超えます。Wantedlyはミッションやカルチャーで惹きつけるプラットフォームで、利用者は100万人超、企業は3万社に及びます。給与はあえて表示せず、呼びかけるのは応募ではなく「話を聞きに行きたい」というカジュアルな面談です。

強み Greenの料金体系は、日本の採用市場で最も優れたリスク移転の仕組みです。Findyのエンジニア能力に関するシグナルは信頼できます。Wantedlyは転職活動をしていない人材に届きます。

弱み 3つとも若年層、東京、スタートアップに偏っています。給与レンジが固定的で控えめな場合、Wantedlyの「給与を表示しない」慣習は時間の無駄になります。いずれもエンジニアリングマネージャーより上のレベルには対応できません。

用途 エンジニア、プロダクト人材、アーリーステージのチームに。成果に対してのみ支払いたいのであれば、まずGreenを。

9. typeと女の転職type(キャリアデザインセンター)

概要 首都圏のITエンジニア向け転職サイトと、女性の中途採用に特化した姉妹サイトです。後者は欧米には本格的な相当物がないカテゴリーです。

強み 関東圏に絞られた、転職意欲の高いオーディエンス。女の転職typeは、勤務時間が明確なポジションに経験豊富な女性を採用するうえで日本で最も効率のよい単一チャネルであり、総合型の媒体では届かない候補者にリーチできます。

弱み 関東以外では規模が小さい。中堅層より上は限定的です。

用途 東京での技術職採用、そして方針表明ではなく実際のチャネルが必要なジェンダーバランスの目標に。

10. バイリンガル層:CareerCross、Daijob、LinkedIn

概要 英語を主とする層です。CareerCrossとDaijob(バイリンガル利用者約71万人)は、定評ある2大バイリンガル求人サイトです。LinkedInの日本の会員数は2025年5月時点で約508万人、人口の4.1%です。

強み 求人広告を英語で出せて、候補者もそれを当然と考えている唯一の場です。LinkedInは、採用ブランディングとこちらから働きかけるアプローチには本当に役立ちます。

弱み LinkedInの数字をもう一度見てください。508万人に対し、リクナビNEXTだけで1,300万人です。日本のLinkedInは、アウトバウンドのツールでありショーウィンドウであって、応募を集めるチャネルではありません。バイリンガル求人サイトは規模が小さく、その候補者プールは東京中の人材紹介会社が徹底的に使い込んでいます。誰もが見ているのと同じ200件の履歴書を目にすることになるでしょう。

用途 アウトバウンドとブランディングに。バイリンガル採用の唯一のチャネルにしてはいけません。

選択肢ではあるが、求人媒体ではないもの

ハローワークは無料の公的機関で、非新卒入職者の19.2%を充足しています。人材紹介会社の2倍以上です。バイリンガルの専門職採用にはほぼ役に立ちませんが、地方採用や時給制の採用にはほぼ欠かせない存在です。

カカクコムが運営する求人ボックスは月間利用者約1,560万人、スタンバイは約1,000万人です。いずれもIndeedと並ぶ国内の求人検索エンジンです。安価なので、求人情報を連携しておく価値があります。

新卒市場は、まったく別のインフラで動いています。2025年3月1日時点で登録学生数59万4,068人のマイナビ、43万398人のリクナビが、政府の後押しする就職活動日程のもとで運営されています。新卒を採用したいのであれば、上記10媒体はいずれも関係ありません。

日本の求人媒体は欧米と何が違うのか

程度の違いではありません。構造の違いです。

戦略

問題は求人媒体ではありません。採用計画の中で、見当違いの3分の1にそれを向けていることが問題なのです。

出典

入職経路の比率は厚生労働省「雇用動向調査」によります。入職経路の詳細な表はe-Statの統計表でのみ公表されており、最新の完全な内訳は2022年分です。分布は年ごとにわずかしか変動しません。2009年との比較と、事業所規模別の入職経路の分析は、入職経路に関する厚生労働省自身の調査によります。市場規模と成長率は矢野経済研究所の2025年人材ビジネス調査、職業紹介事業者数は厚生労働省の事業報告によります。各プラットフォームの数値は各社公表値です:doda会員レポート(2025年7月)、エン・ジャパン(2025年半ば)、マイナビ(2025年9月)、リクナビNEXT、ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウト、doda X、Green、Findy、Wantedly、Daijob、CareerCross。Indeed PLUSの開始時期と参加サイトは、リクルートおよびIndeed Japanのプレスリリース(2024年1月および10月)によります。LinkedInの日本の会員数はNapoleonCat(2025年5月)によります。米国との比較はiHire「State of Online Recruiting 2025」によります。掲載料金は代理店値引き前の定価で、頻繁に変動します。

この号で答える質問

日本では、求人媒体経由で充足される求人の割合はどのくらいですか?
およそ3分の1です。厚生労働省の雇用動向調査では、非新卒入職者のうち広告経由が33.2%を占め、縁故の23.5%、ハローワークの19.2%を上回っています。これは、求人サイト経由が採用のおよそ4分の1とされる米国よりも高い水準です。
日本のシニア採用に求人媒体は有効ですか?
おおむね有効ではありません。「3分の1」という数字は、従業員5人以上のあらゆる事業所のあらゆる入職者の平均であり、大量・日本語・地元志向のポジションが大半を占めています。民営職業紹介所経由の入職者は全国で6.3%にすぎませんが、その割合はほぼすべて大企業、専門職、上位ポジションに集中しています。また、ホワイトカラー向け人材紹介市場は、管理職層の需要を背景に2024年度に12.0%成長しました。
日本の主な求人媒体には何がありますか?
大量採用向けにはIndeed JapanとIndeed PLUS、リクナビNEXT、doda、マイナビ転職、エン転職。シニア・スカウト型の採用にはビズリーチ、リクルートダイレクトスカウト、doda X。エンジニア・スタートアップ向けにはGreen、Findy、Wantedly。関東圏ではtypeと女の転職type。バイリンガル職にはCareerCross、Daijob、LinkedInがあります。ハローワーク、求人ボックス、スタンバイもこれらと並ぶ存在ですが、同じ意味での求人媒体ではありません。
日本の求人媒体は欧米のものとどう違いますか?
程度ではなく、構造が違います。プレミアム型プラットフォームは広告ではなく候補者データベースへのアクセスを売っているため、企業は応募を待つのではなく、自ら候補者にアプローチします。掲載は定額・期間限定で、一般に4週間で20万〜150万円、前払いで返金はありません。主要な求人媒体はいずれも、同じ候補者プールで手数料30〜35%の人材紹介事業を運営しています。求人広告は媒体側が書くことが多く、給与は基本給ではなく賞与を含む年収で記載されます。さらに、新卒採用はまったく別のプラットフォームと日程で動いています。
なぜ日本ではLinkedInが弱いのですか?
LinkedInは公開された職業上のアイデンティティを前提に作られていますが、日本はいまだに転職活動をしていると知られるだけで今の勤務先での立場を損ないかねない市場だからです。LinkedInの日本の会員数は2025年5月時点で約508万人で、リクナビNEXTだけで1,300万人いるのと比べると見劣りします。日本で勝っているプラットフォームは、企業ブロック機能、非公開求人、匿名プロフィールといった「隠れられること」を提供しています。LinkedInは日本でもアウトバウンドのアプローチや採用ブランディングには役立ちますが、応募を集めるチャネルにはなりません。
日本で求人を掲載するにはいくらかかりますか?
4週間掲載の定価は、代理店値引き前で、リクナビNEXTが約20万〜120万円、dodaが25万〜85万円、マイナビ転職が最大150万円、エン転職が28万〜120万円です。Indeedはクリック課金です。Greenは完全成功報酬型で、1人あたり約30万〜90万円です。人材紹介会社の手数料は理論年収の30〜35%です。