変更の内容
2026年10月1日、出入国在留管理庁は、2026年1月に政府が取りまとめた外国人の受入れに関する施策を受けて、「永住許可に関するガイドライン」を改正しました。法律上の要件、すなわち素行が善良であること、独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること、永住が日本の利益に合することは変わりません。変わるのは、それぞれの要件の判断の仕方です。
- 収入。 申請者の世帯収入が、同じ人数の日本人世帯の平均収入を継続して上回っていることが必要です。「家族滞在」など就労資格以外の在留資格を持つ家族が資格外活動許可により得た収入は算入されません。海外にいる扶養家族は世帯人数に加算されます。ガイドラインに具体的な金額は示されていません。
- 年金。 申請者の見込み年金額を、その収入水準で厚生年金に30年加入した場合の受給額と比較します。不足分は金融資産で補うことができ、若い申請者ほど求められる水準は低くなります。
- 日本語。 「日本語教育の参照枠」のB1レベル(CEFR B1相当)の日本語能力が考慮要素となりました。ファストトラックで申請する高度専門職とその家族、日本で6年以上の学校教育を受けた方、永住者の子の一部には求められません。
- ルールと制度。 日本のルールや制度に対する申請者の理解を、主に同庁の「生活・就労ガイドブック」に基づき、同庁が指定する方法で確認します。
- 在留。 原則として求められる10年以上の継続在留のうち、就労資格または居住資格での継続5年以上が必要です。この判断では、「企業内転勤」、「特定技能1号」、「技能実習」、「育成就労」、一部の「特定活動」は就労資格として数えられません。正当な理由のない1回6か月以上の出国、または過去10年間で通算2年6か月以上の出国は、申請者に不利に扱われるようになりました。
- 在留期間。 申請者は、その在留資格で認められる最長の在留期間を有していなければなりません。2027年3月31日までの申請では在留期間3年が最長として扱われ、それ以降は限定的な経過措置があります。
- 経歴。 過去の税金や社会保険料の未納、出入国管理法上の義務違反、罰金刑は、その後是正されていても不利に考慮されます。義務教育年齢の子どもは小学校または中学校に通っていなければなりません。
ガイドラインは2027年4月1日以降の申請に適用されます。収入基準と公的負担の基準は、2026年10月1日前の6か月間に行われ、同日時点で審査中だった申請にも適用されます。「我が国への貢献」に関する別のガイドラインは廃止されます。
対象
永住許可の申請を予定している外国籍従業員とその家族です。給与、社会保険の加入状況、赴任の形態によって従業員の経歴が要件を満たすかどうかが決まるため、雇用主にも影響があります。
企業が取るべき対応
- 赴任形態を確認する。 「企業内転勤」で来日した社員は、その在留資格のままでは永住に向けた就労資格での年数が積み上がりません。長期の定住が重要な場合は、早めに現地雇用契約と「技術・人文知識・国際業務」への切替えを検討してください。
- 社会保険の加入と源泉徴収の記録を適正に保つ。 雇用主側の社会保険の加入手続の遅れや住民税の未納は、何年も後になって従業員に不利に働くことがあります。不備は今のうちに是正してください。
- 日本語学習を予算化する。 高度専門職ルートではなくB1の日本語が必要となる社員には、申請のかなり前から語学支援を始めるべきです。
- 長期の海外赴任を計画的に行う。 1回で6か月以上海外に派遣すると、申請が後退する可能性があります。赴任前に本人と時期を相談してください。
- 2026年4月1日以降に申請した社員に知らせる。 審査中の申請に収入基準がすでに適用されている可能性があります。
出典
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」(2026年10月1日改訂)。申請日に関する第6部を含む
- 出入国在留管理庁、永住許可に関するガイドラインの改正案と新たな取消しに関するガイドライン案についての意見募集(意見募集期間:2026年8月4日〜9月3日)
- 出入国管理及び難民認定法第22条第2項