日本の従業員はこれまで休暇の一部しか取得してこなかったため、多くの人が多くの残日数を抱えたまま退職を迎えます。法定の付与日数は勤続6年6か月で年20日に達し、未使用分は1年間繰り越せるため、勤続年数の長い従業員は最大40日、つまり約2か月分の労働日を保有していることがあります。通常は引継ぎを終えてから残りの休暇をまとめて取得するため、正式な退職日は最終出社日の数週間後になります。
使用者が拒否できる余地はほとんどありません。休暇の申出に対して使用者が持つ唯一の手段は、請求された時季に休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合に時季を変更する権利(時季変更権)ですが、この権利は休暇を移す別の日がある場合にしか機能しません。厚生労働省は従来から、従業員の退職日を越えて休暇の時季を変更することはできないとの立場をとっており、退職時にはこの権利は事実上なくなります。休暇の取得を拒否したり、休暇を含めた退職日を受け入れなかったりすることは違法です。
在職中の有給休暇の買取りは、休息という目的を損なうため原則として禁止されています。退職時には、取得できなかった日数分の買取りに使用者が応じることはできますが、その義務はありません。特に新しい職場で早く働き始めたい場合など、買取りを望む従業員もいます。
外資系企業にとってのポイント
- 入社日の計画に織り込む。 1か月前に退職を申し出る候補者が、それに加えて4週間から6週間の休暇を残していることがあります。保有日数とその使い方を早めに確認してください。
- その期間を埋める提案をする。 早く入社してほしい場合は、放棄に同意した休暇分をカバーするサインオンボーナスや、現在の勤務先との交渉による買取りで、空白期間を短縮できます。
- 引継ぎを省くよう求めない。 引継ぎが先で、休暇はその後です。候補者にどちらかを削るよう迫ると、転職そのものに悪影響が出ます。
- 自社の社員が退職する際にも想定する。 休暇期間中の代替要員を計画し、最初の退職届が出される前に、未消化日数の買取りに関する方針を決めておいてください。
出典
- 労働基準法第39条(年次有給休暇と使用者の時季変更権)、第115条
- 厚生労働省、退職時の年次有給休暇および休暇の買取りに関する行政解釈