忖度は本来、相手の気持ちを推し量り、それに合わせることを意味していました。ハイコンテクストな職場では、これは職業上のスキルです。優れた部下は上司に言われる前にデータを準備し、言われなくてもどの提案が歓迎されるかを心得ています。
この言葉は2017年に否定的な意味を帯びました。森友学園問題では、国有地が学校法人に大幅な値引きで売却され、明示的な指示がないまま、官僚が首相に近い人々を喜ばせるために動いたのかが問われました。忖度はそうした先回りした服従を指す言葉となり、2017年の流行語大賞の年間大賞2語の一つに選ばれました。以来、ルールを曲げたり悪い知らせを握りつぶしたりすることも含め、誰も命令を下す必要がないまま、権力者が望んでいると思うことに沿って人々が動くあらゆる状況について、日本の論評で使われています。
この仕組み自体は日本に固有のものではありませんが、長い勤続年数、強い上下関係、そして公然と異を唱えることを嫌う風土によって増幅されます。誰もが空気を読んでいると、トップは不都合な事実を耳にしないままになりかねません。
外資系企業にとってのポイント
- 何気ない一言が指示になることがある。 地域統括の責任者がある数字について「高く見える」とつぶやくと、次の四半期には手段を問わずその数字が下がっているかもしれません。何を望み、何を望まないのかをはっきり伝えてください。
- 悪い知らせを明示的に求め、それに報いる。 早期に提起された問題は歓迎すると明確に示しましょう。スキップレベルの面談や、日本語で使える匿名の窓口を活用してください。
- 内部通報を実効性のあるものにする。 公益通報者保護法は、常時使用する労働者が300人を超える事業者に内部通報体制の整備を義務づけています。自社の制度が日本語で機能し、従業員に信頼されているかを確認してください。
- 面接で見極める。 シニアの応募者に、上司にとって歓迎されないことを伝えた経験を尋ねましょう。海外の上司に報告する日本法人のトップには、本社の空気を先読みすることよりも独立した判断力が重要です。
出典
- ユーキャン新語・流行語大賞、2017年
- 森友学園への国有地売却に関する報道、2017〜2018年
- 公益通報者保護法(2020年改正、2022年6月施行)