日本は高コンテクスト文化であり、会話の意味の多くは語られない部分にあります。空気を読むとは、それを汲み取る力です。会議の雰囲気、すでに傾きつつある意思決定の方向、発言に込められた依頼を察知し、言われる前に自分を合わせることを指します。一人前の大人なら誰もが備えているものとされるため、それが欠けていることは本当の意味での批判になります。「空気が読めない」は略語の「KY」となり、2007年には新語・流行語大賞にノミネートされました。
この考え方には長い系譜があります。評論家の山本七平は1977年の『「空気」の研究』で、日本では正式なルールや議論よりも、集団の空気が物事を決めることが多いと論じました。本音と建前は私的な見解と公的な立場のずれを表す言葉であり、空気を読むとは、そのずれの中でうまく立ち回る力です。
採用の場面では、これが予測可能な誤解を生みます。本気でその仕事を望んでいる日本人候補者が、最も熱意を見せないことがあります。自分を売り込みすぎること自体が、空気を読めていないことになるからです。懸念は間接的に表れます。慎重な質問、間、すでに話した話題への立ち戻りなどです。
外資系企業にとってのポイント
- 落ち着きを関心のなさと受け取らない。 日本人候補者の中でも特に優秀な人ほど、実力が見えてくるまでに何度かの対話を要することがあります。それを見込んだ選考プロセスにしましょう。
- 沈黙を活かす。 矢継ぎ早の質問や勢いのある面接では、かえって良い答えは得られません。熟考した回答のための余白を残してください。
- 重なるシグナルに耳を傾ける。 職務範囲や決裁権限について繰り返し質問が出る場合、それは単なる好奇心ではなく懸念であることがほとんどです。候補者が実際にどう考えたのか、リクルーターに確認してください。
- 使い分けができる人材を探す。 外資系の日本法人で成功するバイリンガルのリーダーは、本社に対しては率直に、日本のチームに対しては空気を読んで接することができます。これは明示的に評価すべき能力です。
出典
- 山本七平『「空気」の研究』(文藝春秋、1977年)
- 2007年「ユーキャン新語・流行語大賞」ノミネート語