伝統的な日本のモデルでは、誰をどこに配置するかは人事が決め、社員は4月の人事異動の数週間前に次の配属先を知らされます。社内公募はこの方向を逆にします。部署が要件を添えて空きポジションを公開し、社員が応募し、受け入れ部署が面接して選考します。多くの制度では、選考されるまで現在の上司に知らせずに応募でき、選考された後は現在の上司が異動を阻止できないとする制度もあります。
この考え方自体は新しいものではなく、1990年代以前から制度を運用していた大企業もあります。変わったのは規模と目的です。ジョブ型雇用、人的資本開示、人手不足を背景に、社員が自らキャリアを形づくれることを示す必要に迫られ、社内公募は大企業の標準的な制度となりました。調査結果は対象によって異なります。2025年の日経による主要企業調査では、64%が社内公募または社内FA制度を導入していました。2024年の人事系メディアによるより広範な調査では、全体で約30%、従業員5,000人超の企業では約80%でした。
制度があることと、それが活用されていることは別です。多くの会社では募集されるポジションの数が少なく、良いポジションは依然としてローテーションで動き、応募することは上司への不満の表れと見られています。
外資系企業にとってのポイント
- 同じ人材をめぐる競合相手になる。 社内で新しい職種に異動できる有能なマネジャーは、リクルーターの電話に出る理由が少なくなります。候補者に社内での挑戦を試みたかどうか尋ねてみましょう。
- 応募したときに何が起きたかを尋ねる。 社内で応募して阻止された候補者は、多くの場合、動機の明確な転職者です。
- 規模があれば日本でも制度を設ける。 日本の社員は目に見える社内の道筋をますます期待するようになっており、それがないことは閉ざされたキャリアパスと受け取られます。
- 実効性を持たせる。 意味のあるポジションを募集し、応募者を報復から守り、実績の数字を公表しましょう。形だけの制度は信頼を損ないます。
出典
- 日本経済新聞社、日経サステナブル総合調査(2025年)、社内公募制度および社内FA制度について。
- 日本の人事部、人事白書 調査レポート2024。
- リクルートマネジメントソリューションズ、社内公募に関する調査(2022年)。