リテーナー型サーチでは、クライアントは1つのポジションを埋めるために1社に依頼し、結果だけでなく、進行する業務そのものに対して報酬を支払います。典型的には、契約時に1回目、ショートリストなど合意したマイルストーンで2回目、採用決定または入社時に最終回を支払う構成です。最初の分割分は、通常、採用に至るかどうかにかかわらず支払義務が生じます。その代わりに、サーチ会社は専任チームを充て、市場を体系的にマッピングし、転職活動をしていない人材にアプローチし、得られた知見を報告します。
日本では、このモデルも他の有料職業紹介と同じ法的枠組みの中にあります。サーチ会社は職業安定法に基づく許可が必要です。法定の上限(就職後6か月間の賃金の11%)を超える手数料は、厚生労働省に届け出た手数料表に従う必要があり、リテーナーもその届出手数料表の範囲内でなければなりません。報酬総額は通常、採用者の賞与を含む見込み初年度年収に対する割合で設定されます。日本の上級職では30〜35%以上が一般的です。米国、英国、シンガポールの料率はこれより低く、概ね18〜25%です。
日本市場におけるリテーナー型サーチの比重は、米国や英国に比べて小さいのが実情です。グローバルなサーチファームや専門ブティックが提供しており、着手金を抑えたハイブリッド型の条件を提示する人材紹介会社も多くあります。
外資系企業にとってのポイント
- 結果だけでなくプロセスに対価を払っている。 必要な候補者が転職活動をしていない場合、サーチを秘密裏に進める必要がある場合、候補者名だけでなく市場の率直な見立ても必要な場合に、リテーナー契約の意義は最も大きくなります。
- 独占とは1社だけという意味。 リテーナー契約のサーチ会社と並行して同じポジションを成功報酬型の紹介会社に依頼すると、契約の前提が崩れ、候補者も混乱します。
- 契約条件をよく読む。 報酬算定の基準、分割支払いの発生条件、ポジションの取り消しや要件変更時の扱い、採用者が早期退職した場合の返金・再紹介保証を確認してください。
- 継続性には価値がある。 複数のサーチを通じて付き合いのあるサーチ会社は、貴社の事業、日本のリーダーシップ、意思決定の仕方を理解しています。サーチのたびに、より有利な地点から始められます。
出典
- 職業安定法第30条、第32条の3(許可および手数料)。
- 有料職業紹介事業における上限制手数料および届出制手数料に関する厚生労働省の指針。
- 市場別の手数料水準は著者の書籍による。