人のつながりを通じた採用は日本でも古くから行われてきましたが、明確なプロセスと採用成功時の報奨金を備えた現代的なリファラル制度は、主にスタートアップと外資系企業を通じて広まりました。人材紹介手数料が高いこともあり、現在では大手日本企業でも一般的になっています。
法的な論点は日本特有のものです。職業安定法第40条は、労働者を募集する者が、募集に従事する者に報酬を支払うことを禁じており、例外として自社従業員に支払う通常の賃金などが認められています。したがって、リファラル報奨金は、就業規則や賃金規程に賃金の一部として定め、給与を通じて支払う限り問題ありません。給与外の現金謝礼や、従業員でない者への支払いは、この例外の範囲外です。また、同じ従業員に高額の支払いを繰り返すと、無許可の職業紹介事業とみなされるおそれもあります。
報奨金は賃金であるため、他の給与と同様に課税・処理されます。
外資系企業にとってのポイント
- 規程に明記する。 グローバルのリファラル制度を導入する場合も、最初の支払いの前に、金額と条件を定めた条項を日本の就業規則または賃金規程に設ける必要があります。
- 金額は控えめな定額にする。 採用1件ごとの定額報奨金の方が、紹介手数料に似てくる年収の一定割合による設定よりも安全です。
- 本国よりも紹介はずっと少ないと想定する。 日本では、紹介は紹介者自身の立場を危うくします。候補者が面接で落ちれば紹介者の影響力のなさが露呈し、入社後に苦戦すれば双方に圧力がかかります。報奨金でそれを埋め合わせることはほとんどできません。制度は運用しつつも、採用計画の柱には据えないことです。
- 守秘は双方向の問題。 共通の知人を通じて現職の会社に話が伝わることを懸念し、候補者がためらう場合があります。紹介をどのように扱うかを明確にしておきましょう。
出典
- 職業安定法第40条。
- 募集従事者への報酬支払いに関する厚生労働省の解釈(日本の労働法律事務所および社会保険労務士による解説に基づく)。