日本では正社員の解雇が非常に難しいため、残ることを居心地の悪いものにしようとする企業もありました。対象となる社員は、多くの場合、早期退職の募集に応じなかった人で、「キャリア開発センター」や「業務支援室」といった名称の新しい部署に異動させられます。そこでは単純作業を与えられたり、社内外で自分の仕事を探すよう求められたり、何の仕事も与えられなかったりします。狙いは、本人がいずれ退職を決意することです。
この言葉は2013年、大規模なリストラが続いていた時期に、朝日新聞が複数の大手電機メーカーの部署について報じたことで広まりました。厚生労働省は、報道された企業の一部から聞き取りを行って対応しました。その後も同様の疑惑が浮上しており、2024年にはゲーム業界に関する報道もありました。
法的には、こうした部署が自動的に違法となるわけではありません。使用者は社員を配置転換し、自主退職を勧めることができます。違法となるのは、配置転換に真の業務上の必要性がない場合、退職を強いることを目的としている場合、あるいはその扱いがパワーハラスメントに該当する場合です。厚生労働省の指針は、意図的に仕事を与えない、あるいは無意味な仕事を与えること(過小な要求)や、社員を孤立させること(人間関係からの切り離し)を、パワーハラスメントの典型例として挙げています。執拗な退職勧奨についても、最高裁判所は早くも1980年の下関商業高校事件で違法と判断しています。
外資系企業にとってのポイント
- この手法を持ち込まない。 退職に追い込むために社員を干すことは、パワーハラスメントの申立て、労働組合の介入、損害賠償請求を招き、しかもうまくいくことはまれです。
- 合意による退職が正当な道。 明確な提案、公正な退職パッケージ、検討のための十分な時間が、裁判所や労働基準監督官が求めるものです。
- 一部の候補者の背景を説明する。 50代の中途候補者の中には、こうしたリストラ部署から来る人もいます。職務経歴書上の肩書より、その背景のほうが重要です。
- 評判への波及に注意する。 疑惑は雇用主ブランドに付きまとい、何年にもわたって採用に影響します。
出典
- 最高裁判所、下関商業高校事件、1980年7月10日判決
- 労働施策総合推進法第30条の2、及び厚生労働省のパワーハラスメントに関する指針(2020年)
- 朝日新聞の報道(2013年)、厚生労働省による企業への聞き取り(2013年)