全国一律の最低賃金はありません。毎年夏に中央最低賃金審議会が都道府県のランクごとに引き上げ額の目安を示し、それを受けて各都道府県の審議会が独自の額を決めます。新しい額は秋に発効しますが、その日付はまちまちで、2026年は大半の都道府県が10月、7県が11月、3県が12月に改定されました。
2026年度の全国加重平均は時給1,177円で、1,121円から56円の引き上げです。最も高いのは2026年10月1日発効の東京都の1,280円、最も低いのは宮崎県の1,085円です。近年の引き上げ幅は過去最大を更新しています。政府は2024年に2020年代中に全国平均1,500円とする目標を掲げ、2026年には遅くとも2030年代初めまでという期限を示しました。一部の都道府県には、産業別の特定最低賃金もあります。
判定は時間額で行われます。月給制の社員の場合、月給を1か月平均の所定労働時間で割ります。賞与、時間外手当、家族手当、通勤手当は計算から除外されます。
外資系企業にとってのポイント
- 影響は想像以上に広く及ぶ。 地方拠点の新卒や若手事務職の給与は今や最低賃金に近づいており、その下限は毎年10月に動きます。
- 固定残業代を確認する。 給与に固定残業代が含まれている場合、それを除いた基本給を所定労働時間で割った額が、なお最低賃金を上回っていなければなりません。
- すべての拠点を確認する。 複数の都道府県に社員がいる企業は、複数の額と複数の発効日に対応する必要があります。
- 賃金カーブ全体を押し上げる。 下限の上昇は新卒と入社数年目の社員の給与差を縮めます。日本企業が初任給を大幅に引き上げてきた理由の1つです。
出典
- 最低賃金法第4条、第9条
- NHKおよび日本経済新聞による政府の1,500円目標に関する報道(2026年)
- 厚生労働省、2026年度地域別最低賃金の改定/東京労働局、2026年9月1日の発表