毎年春、日本の大企業の労働組合はほぼ同じ時期に賃金交渉を行い、大手の妥結額がそれ以外の企業の目安となります。大手製造業は通常、3月中旬の同じ日に組合の要求に回答します。日本労働組合総連合会(連合)は春の間に集計を随時公表し、7月上旬に最終集計を発表します。
見出しの数字は二つの要素を合わせたものです。勤続年数が1年増えることによる自動的な昇給(定期昇給)と、賃金表そのものの引上げ(ベースアップ)です。従業員全体の賃金を引き上げるのはベースアップだけです。
数十年にわたり2%前後で推移してきた妥結額は、様変わりしました。連合の最終集計は2024年が5.10%、2025年が5.25%、2026年が5.01%でした。2026年の中小組合の平均は4.69%で、連合が中小組合向けに掲げた6%の目標には届きませんでした。
外資系企業にとってのポイント
- 労働組合の有無にかかわらず、自社の人材の相場がリセットされる。 日本の外資系企業の多くには労働組合がありませんが、従業員は春闘の報道を目にしています。春闘の数字を大きく下回る賃金改定は、今や実質的な賃下げと受け止められます。
- 採用時の給与期待を押し上げる。 大手日本企業の応募者は3年続けて5%を超える賃上げを経験しています。前年のデータを基にしたオファーは見劣りするでしょう。
- 自社の昇給予算と同じものではない。 見出しの数字には勤続による定期昇給が含まれています。自社の予算は、全体の数字ではなくベースアップ部分と比較してください。
出典
- 日本労働組合総連合会(連合)、2024年・2025年・2026年春闘の最終集計(時事通信およびThe Japan Timesの報道、2026年7月)