労働局は、厚生労働省と、企業が日常的に接する現場の機関との間に位置します。労働基準監督署は労働時間、賃金、安全を、ハローワークは職業紹介と雇用保険を担当します。労働局自体にも独自の執行権限があり、ハラスメント防止、男女雇用機会均等、非正規雇用労働者の同一労働同一賃金、育児・介護休業、労働者派遣事業と職業紹介事業の許可・監督を所管しています。
2001年からは、事業主と労働者の間の個別労働紛争を解決するための3段階のサービスも運営しています。誰でも総合労働相談コーナー(2024年度は379か所)に相談できます。紛争がある場合、労働者は労働局長に、事業主への助言・指導を求めることができます。また、労使いずれからも、弁護士や学識経験者で構成される紛争調整委員会によるあっせんを申請できます。サービスは無料で、秘密は守られます。2024年度の総合労働相談件数は1,201,881件で、5年連続で120万件を超え、助言・指導の申出は約8,900件、あっせんの申請は約3,900件でした。相談内容では「いじめ・嫌がらせ」が13年連続で最多となりました。
あっせんへの参加は任意です。事業主は出席を断ることができ、いずれかが案を拒否すれば手続きはそのまま終了します。この方法で成立する和解は、労働審判と比べてかなり低額になる傾向があります。
外資系企業にとってのポイント
- あっせんの案内には応じる価値がある。 断ることは認められていますが、労働者の次の手段は通常、労働審判かユニオンであり、どちらも費用がよりかさみます。
- ハラスメント規制を執行するのは労働局。 パワーハラスメントやマタニティハラスメントに関する申立てはここに寄せられ、労働局は指導を行い、場合によっては企業名を公表することもあります。
- 一部の制度は労働局の認定が必要。 たとえば、定年後に再雇用された人を無期転換ルールの対象外とする特例には、労働局の認定を受けた計画が必要です。
- 人材会社の利用もここが監督する。 偽装請負や無許可の事業者に関する問題は労働局の所管です。
出典
- 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(平成13年法律第112号)
- 厚生労働省「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」(2025年)