日本では、3か月を超えて滞在する外国人を含め、すべての住民に公的医療保険への加入が義務づけられています。会社員は勤務先の健康保険に加入します。それ以外の75歳未満の人は、住所地の市町村の国民健康保険に加入します。退職した人も、新しい勤務先の保険に加入するまでは国民健康保険の対象です。
保険料は世帯単位で課され、市町村が主に前年の所得と1人あたりの定額部分をもとに算定するため、料率は自治体によって異なります。費用を分担する事業主はいません。保険料は複数の区分の合計で、それぞれに法定の上限があります。2026年度は医療分67万円、後期高齢者支援金分26万円、40歳から64歳の加入者の介護分17万円、そして新設の子ども・子育て支援金分3万円で、合計113万円です。給付は自己負担3割など勤務先の保険とおおむね同じですが、傷病手当金はありません。
退職する人には別の選択肢もあります。被保険者期間が2か月以上あれば、退職後20日以内に申請することで、保険料の全額(労使双方の分)を自己負担して、前の勤務先の健康保険に最長2年間加入し続けることができます(任意継続)。
外資系企業にとってのポイント
- 転職の合間の高所得者は上限額に達することがある。 保険料は前年の所得に連動するため、数か月の空白期間がある上級職の候補者は、満額の保険料を課されることがあります。前の勤務先の保険を任意継続するほうが安いことも多く、休みを挟む予定の候補者には伝えておく価値があります。
- 入社日が影響する。 前月の下旬ではなく月の初日に入社すると、その月の保険料をどの保険者が徴収するかが変わります。
- 業務委託ではコストを全額本人が負担する。 上級人材を個人の業務委託として起用すると、国民健康保険料は全額本人負担となり、本人はそれを報酬に織り込んできます。
- 雇用されていない来日者はまず国保に加入する。 日本の健康保険の適用が免除されている赴任者に帯同する家族は、別途加入が必要な場合があります。
出典
- 国民健康保険法第5条、第6条、第76条/健康保険法第37条(任意継続被保険者)
- 国民健康保険法施行令、2026年度の保険料(税)賦課限度額