敬語は、関係性に応じて文の文法を変えます。尊敬語は相手とその行為を高めます。謙譲語は自分と自分の側を低めます。丁寧語は、親しくない相手であれば誰にでも使う中立的な丁寧な表現です。2007年に文化審議会がこれを五つに分類する指針を示しましたが、教える際には今も三分類が一般的です。
敬語が難しいのは、固定されたものではなく関係によって決まるからです。同じ人物でも、ほかに誰がいるかによって言い方が変わります。日本の社員が顧客に対して自社の社長について話すときは、謙譲語を使い、敬称を外します。社長は自分の内側の人、顧客は外側の人だからです。これを逆にするのは基本的な誤りで、顧客は気付きます。
ビジネスでは、敬語は書き言葉にも及びます。メールの書き出しと結び、手紙、お詫び、依頼には決まった型があります。新卒社員は新入社員研修で徹底的に教え込まれ、企業は今も中途の候補者を敬語の力でも一部評価しています。
外資系企業にとってのポイント
- 日本語が流暢であることと、ビジネス敬語は別物。 JLPTのN1に合格した候補者や、海外で育ち家庭で日本語を話してきた候補者でも、顧客対応の敬語には苦労することがあります。顧客、官公庁、取締役会と向き合うポジションでは、実際の文書作成の課題で確かめましょう。
- 帰国子女やバイリンガルの採用者には大きな幅がある。 敬語の使い分けを難なくこなす人もいれば、英語のほうが楽な人もいます。保守的な日本企業の顧客の前に出す前に、どちらなのかを把握しましょう。
- 外国人リーダーが敬語を極める必要はない。 丁寧な標準語でも英語でも構いません。重要なのは、顧客に日本語で文書を書く社員がそれをきちんとこなせることです。
- 社内の力学にも表れる。 中途入社のシニアが、勤続の長い社員から敬語で話しかけられているなら、外部の人として扱われているのかもしれません。言葉遣いがいつ打ち解けるかに注目しましょう。
出典
- 文化審議会「敬語の指針」(2007年)。
- 一般的な用法。