日本の大企業のライン上の序列は、おおむね次のとおりです。主任は上級の担当者またはチームリーダーです。係長は小さなグループを監督します。課長は課を率い、通常は最初の管理職階層です。その手前に課長代理などの補佐的な段階を置く会社も多くあります。次長は部の副責任者、部長は部の長、本部長は複数の部をまとめる本部の長です。
その上に役員が位置します。執行役員は会社が独自に設ける役職で、会社法上の根拠はありません。取締役は法定の取締役会の構成員です。取締役の間にも序列があり、常務(英語では通常managing directorと訳されます)、専務(senior managing director)、副社長(executive vice president)、社長(president、通常は最高経営責任者)、会長(chairman)と続きます。退任した経営トップは、相談役や顧問として残ることがよくあります。
法律で定められているのは取締役レベルの役職だけです。それ以外は各社が定めるため、同じ役職名でも中身は大きく異なり得ます。また役職は別の等級の上に乗っているため、部を率いていないのに部長級の役職名を持つ人もいます。
外資系企業にとってのポイント
- 役職名ではなく職責の範囲で対応付ける。 部下の人数、予算、レポートライン、等級を確認します。大手メーカーの課長が、小規模な外資系子会社のディレクターより多くの部下を率いていることもあります。
- 「ディレクター」という言葉に注意する。 日本企業では通常、取締役を意味します。外資系企業では多くの場合、部長に相当します。現職の部長に「マネージャー」の肩書きを提示すれば、降格と受け取られます。
- 「Managing Director」は国の責任者ではない。 常務は中位の取締役です。英文名刺の肩書きが、ロンドンやシドニーでの意味と同じだと思い込まないでください。
- 役職はコストがかからず、しかも重要。 候補者本人も、その家族や顧客も役職を気にします。報酬だけでは埋まらない差を、役職の調整で埋められることがあります。
- 役職が下がることは立場を失うことであり、誰もそれを口にしない。 15年部長を務めてきた人が、格下げと読める役職を受け入れることはまずありません。見栄ではなく、周囲からどう見られるかの問題です。カントリーマネージャーにレポートする「Head of Marketing」は、日本の組織の感覚に置き換えると降格に見えることがあり、候補者は理由を告げずに辞退します。
出典
- 会社法(取締役、代表取締役、監査役、執行役)。それ以外の役職はすべて企業の慣行。