現場とは、物事が実際に起きている場所です。警察にとっては事件現場、記者にとっては取材の現場、企業にとっては製造ライン、倉庫、店舗、建設現場、病棟、顧客のオフィスなど、実際の仕事が行われている場所すべてを指します。その対極にあるのが本社で、そこでは現場についての報告書をもとに仕事が行われます。
日本の経営において、現場は権威を持ちます。トヨタの「現地現物」という考え方は、スプレッドシートからは問題を理解できない、自ら行って見よ、というものです。多くの日本企業は新卒社員のキャリアを工場、支店、営業エリアといった現場での勤務から始めさせ、経営幹部はその時期を自らの原点として挙げることがよくあります。「現場主義」の管理職と言われるのは、現実から離れていないことへの賛辞です。
一方で、そこには構造的な緊張関係もあります。現場は本社が自分たちを理解していないと感じがちで、本社は現場が変化に抵抗していると感じることがあります。オペレーション畑で昇進してきた日本人リーダーは、外国人を含む新任の管理職を、わざわざ現場に足を運んだかどうかで評価する傾向があります。
外資系企業にとってのポイント
- 早い段階から、頻繁に現場を訪れる。 計画を説明する前に工場、倉庫、主要顧客を回る地域統括リーダーは耳を傾けてもらえます。現場を訪れずにスライドだけで説明するリーダーは軽んじられます。
- オペレーション職では現場での信頼性を重視して採用する。 現場で働いた経験のある工場長やサプライチェーン責任者は、それ以上に優れた戦略家であっても現場経験のない人より早く受け入れられます。
- オンボーディングに組み込む。 シニア層の採用では、最初の1か月に経営会議だけでなく、拠点訪問や第一線のスタッフと過ごす時間を予定に入れてください。
- 本社とのギャップに耳を傾ける。 日本人スタッフがある方針について「現場に合わない」と言うとき、細部については正しいことが少なくありません。どうすれば合うのかを尋ねてください。
出典
- 一般的な用法。
- トヨタ自動車が公表している「トヨタウェイ」およびトヨタ生産方式に関する説明。