カスタマーハラスメントは、社外の人による従業員への迷惑行為を指します。怒鳴る、脅す、長時間または繰り返しのクレーム、土下座の要求、不当な補償の要求などです。日本では、小売、交通、コールセンター、医療、地方自治体などで社会問題となりました。これらの現場では第一線の従業員がほとんど守られておらず、「お客様は神様」という前提がありました。
先に動いたのは地方自治体です。東京都カスタマー・ハラスメント防止条例は、北海道と群馬県の条例とともに2025年4月1日に施行されました。これらの条例はカスタマーハラスメントを許されないものと宣言し、事業者の責務を定めていますが、罰則はありません。
国の法律がこれに続きました。2025年6月11日に公布された労働施策総合推進法の改正は、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントについてすでに求められているのと同様に、カスタマーハラスメントについても雇用管理上の措置を講じることを使用者に義務付けています。この義務は2026年10月1日に施行され、中小企業への猶予期間なく、すべての使用者に適用されます。2026年2月に公表された厚生労働省の指針は、求められる内容を示しています。明確な会社の方針、相談体制、被害を受けた従業員への支援や警察との連携を含む事案発生時の対応手順、そして抑止のための措置です。
外資系企業にとってのポイント
- BtoB企業にも適用される。 定義には小売の顧客だけでなく取引先や事業上の関係者も含まれます。取引先担当者による迷惑行為は、いまや自社のコンプライアンス上の問題です。
- 方針を文書化する。 公表された方針、相談の窓口、事案対応の手順を、既存のハラスメント対策の枠組みと整合させて日本語で整える必要があります。
- 営業担当者には後ろ盾が必要。 重要な取引先が相手であっても、上に報告でき、会社が支えてくれることを従業員が知っている必要があります。
- 候補者からの質問を想定する。 現場や顧客対応の職種の候補者は、企業が難しい顧客にどう対処しているかを尋ねることが増えています。
出典
- 労働施策総合推進法(2025年6月11日公布の改正法による改正後、2026年10月1日施行)。
- 厚生労働省、カスタマーハラスメント対策に関する指針(2026年2月)。
- 東京都カスタマー・ハラスメント防止条例(2025年4月1日施行)。