変更の内容
2026年3月31日に成立した令和8年度税制改正により、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法に基づく防衛特別所得税が創設されました。税額は基準所得税額の1%です。同時に、2013年から所得税額の2.1%で課されている復興特別所得税は1.1%に引き下げられ、その期限は2037年12月31日から2047年12月31日に延長されます。
いずれの変更も2027年1月1日以後に生ずる所得に適用されます。給与の場合は、支給日が2027年1月1日以後となるものが対象です。付加税の合計は2.1%のままなので、現在10.21%または20.42%で源泉徴収している支払は、同じ税率で徴収します。2027年分の源泉徴収税額表には両方の付加税が織り込まれ、2027年分の年末調整も、現在と同じく所得税額×102.1%で計算します。
防衛特別所得税と復興特別所得税は所得税とあわせて1枚の納付書で申告・納付し、現行の納付書も引き続き使用できます。租税条約により日本の源泉徴収が軽減・免除される場合は、いずれの付加税も課されません。
実務上の影響は、現在の税負担が増えることではなく、負担期間が延びることです。2037年で終了する予定だった2.1%の付加税が、少なくともさらに10年続くことになります。
対象
国内で給与計算を行う外資系子会社を含むすべての源泉徴収義務者、および居住者・非居住者を問わずすべての所得税の納税者。
企業が取るべき対応
- 2027年分の源泉徴収税額表を反映する。 1月支給分から国税庁の2027年分の税額表が使われるよう給与計算の委託先に確認します。この税額表には2026年の控除の改正も反映されています。
- グロスアップの税率は変更しない。 報酬・料金、役員報酬、非居住者への支払に関する10.21%または20.42%での計算はそのままです。
- 長期の試算を更新する。 付加税が2037年に終了する前提で作成した海外赴任者のタックス・イコライゼーションや手取り額の見通しは、2047年までとして計算し直します。
- 納付書はそのまま使える。 国税庁は、現行の源泉所得税の納付書を2027年1月以降も使用でき、3つの税を1枚の納付書で納付できることを確認しています。
出典
- 我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法(令和5年法律第69号)、令和8年度税制改正法による改正後のもの。
- 国税庁、2027年1月からの防衛特別所得税及び復興特別所得税の源泉徴収の概要およびQ&A(2026年5月)。
- 国税庁、2027年分源泉徴収税額表。