変更の内容
日本の事業主は、定年の引上げ、定年制の廃止、または定年後の継続雇用制度の導入のいずれかにより、65歳までの雇用を確保しなければなりません。多くの企業は継続雇用を選び、通常は60歳で有期契約により再雇用しています。
2013年までは、労働組合または過半数代表者との協定で定めた基準を満たす者に継続雇用の対象を限定することが認められていました。2012年改正(平成24年法律第78号、2012年9月5日公布、2013年4月1日施行)はこの仕組みを廃止しました。ただし経過措置として、すでに基準を定めていた事業主は、段階的に引き上げられてきた老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢以上の従業員について、引き続き基準を適用できました。この経過措置が2025年3月31日に終了しました。
2025年4月1日以降、継続雇用制度を用いる事業主は、希望者全員に65歳までの継続雇用を提供しなければなりません。例外は、重大な非違行為や就労不能など、就業規則上の解雇事由または退職事由に該当する場合に限られます。
同じ日に関連する改正も施行されました。60歳時点と比べて賃金が75%未満に低下した60歳から64歳の労働者に支給される雇用保険の高年齢雇用継続給付は、2025年4月1日以降に60歳に達する人について、賃金の最大15%から最大10%に縮小されました。
対象
2013年4月より前に対象者基準を定めていた事業主。ただし、すべての事業主が自社の再雇用の運用をこのルールに照らして確認すべきです。
企業が取るべき対応
- 就業規則から基準を削除する。 60歳での再雇用に関する人事評価や健康状態の基準は、もはや有効ではありません。
- 希望者は全員再雇用する。 拒否できるのは解雇を正当化できる理由がある場合に限られ、その理由を記録しておきます。
- 再雇用後の賃金を見直す。 給付が縮小したことで60歳時の大幅な賃金引下げの影響が大きくなり、同一労働同一賃金の観点から争われやすくなります。
- 70歳を見据える。 70歳までの就業機会の確保は、2021年4月から努力義務となっています。
出典
- 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第9条、および平成24年法律第78号(2012年9月5日公布)附則、2025年3月31日に終了した経過措置。
- 厚生労働省、高年齢者雇用確保措置に関するQ&A。
- 雇用保険法、高年齢雇用継続給付、2025年4月1日からの給付率の変更。