競業避止義務 Non-compete obligations

競合他社で働くことの制限。退職後については、日本の裁判所はごく限定的にしか認めない。別称:競業禁止、競業避止条項、競業避止特約。

在職中の競業避止義務は黙示のものです。従業員は競合する事業で働いたり、競合事業を立ち上げたりすることはできません。退職後は状況が変わります。職業選択の自由は憲法第22条で保障されており、退職後の競業避止を定める法律はありません。裁判所がこれを認めるのは、就業規則や個別の誓約書による明確な書面の合意がある場合に限られ、それも制限が合理的な範囲にとどまります。

初期の代表的な先例は、1970年に奈良地方裁判所が判断したフォセコ・ジャパン・リミテッド事件で、技術上の秘密に接する従業員に対する2年間の制限を有効としました。以降、裁判所は一貫した要素を考慮してきました。営業秘密や顧客との関係など、使用者に守るべき実質的な利益があるか、従業員の地位と情報へのアクセス、制限の期間、地域的範囲と業務の範囲、そして制限を受け入れる代償を従業員が受けたかどうかです。おおむね1年以内の制限は有効とされることが比較的多く、代償が一切ない場合は有効性を否定する方向に大きく働きます。業界全体での就業を禁じる条項は、無効とされるか、限定されることが一般的です。

これとは別に、営業秘密は、秘密として管理されていた情報であれば、競業避止義務の有無にかかわらず不正競争防止法で保護されます。

外資系企業にとってのポイント

出典

誤りのご指摘や、日本での採用に関する事例のご提供は editor@hardestmarket.com までお寄せください。英語版もあります。

本ページは雇用主向けの一般的な情報であり、法的助言ではありません。基準値や日付は掲載の出典に基づき確認していますが、実際の対応にあたっては弁護士または社会保険労務士にご確認ください。